自家製「パンチェッタ」は食中毒の危険あり?腐る・失敗を防ぐ作り方・保存方法を紹介!
自家製「パンチェッタ」は食中毒の危険があると知っていますか?今回は、自家製「パンチェッタ」の食中毒になる危険性を、腐る・失敗する原因とともに紹介します。パンチェッタでの食中毒を防ぐ保存方法・作り方も〈塩分濃度〉などポイントと紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
自家製「パンチェッタ」は食中毒の危険がある?注意点は?

パンチェッタとは、豚バラブロック肉を塩漬けにしたものです。豚肉の旨味が凝縮されており、主にイタリア料理のパスタやスープなどで使われます。ここでは自家製パンチェッタについて、食中毒の危険性や注意点を紹介します。
危険な場合①腐っている
自家製パンチェッタによる食中毒の症状は、以下の通りです。
・腹痛
・嘔吐
・下痢
・発熱
自家製のパンチェッタが腐っていた場合、食中毒に罹る可能性があります。豚肉による食中毒は、サルモネラ菌やカンピロバクターを原因菌とすることが多く、これらによる食中毒は十分な加熱で防ぐことができます。
しかし、自家製パンチェッタが少しでも腐敗しているようであれば、加熱をしても危険なことに変わりはありません。そのため、腐ってしまったパンチェッタは食べずに処分しましょう。
危険な場合②生でそのまま食べる
手作りのパンチェッタを生でそのまま食べた場合には、以下のような病気に罹る危険性があります。
・E型肝炎
・トキソプラズマ症
・カンピロバクター症
・サルモネラ感染症
・エルシニア腸炎
E型肝炎は約6週間の潜伏期間があり、初期は風邪に似たような症状です。ほとんどは点滴や安静にすることで治癒しますが、妊婦は急性肝不全になる可能性があるのでより気をつける必要があります。トキソプラズマ症、カンピロバクター症、サルモネラ感染症、エルシニア腸炎は食中毒の一種です。それぞれ腹痛や嘔吐、激しい下痢などの症状が潜伏期間後に現れます。
食中毒の症状は通常数日~数週間で治まりますが、場合によっては重症化する可能性もあるため、必ず加熱してから食べましょう。自家製パンチェッタは加熱調理が必要ですが、市販のパンチェッタは徹底した管理下の元で製造されているので、加熱せずに生でそのまま食べても構いません。
(*パンチェッタの生食は安全かどうかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
危険な場合③二次感染
自家製パンチェッタによる食中毒は、二次汚染や二次感染にも気をつける必要があります。自家製パンチェッタに付着した菌が、手や調理器具を介して他の食品に移ることで二次汚染を引き起こします。また、食中毒症状のある人を介助した際に菌が付着し、原因菌が体内に入ることで二次感染を起こすこともあるので気をつけなくてはいけません。
自家製「パンチェッタ」が腐るとどうなる?見分け方は?

自家製パンチェッタが腐っているかどうか、見分ける方法はあるのでしょうか。腐っているかどうか見分けられるように、自家製パンチェッタが腐った場合の特徴などを説明するので参考にしてください。
パンチェッタが腐った時の特徴
自家製パンチェッタが腐っている特徴は、以下の通りです。
・豚肉の表面にぬめりが出る
・豚肉の表面にカビが現れる
・腐敗臭がする
パンチェッタが腐ると、豚肉表面のぬめりや全体的または局所的に緑色のカビが確認できます。豚肉の臭いを嗅いだ時にアンモニア臭やきつい酸味、納豆のような発酵臭がある場合も腐っていると考えられます。自家製パンチェッタが上記のような状態になった時は腐っている可能性が高いので、食べずに処分してください。
パンチェッタの白い斑点はカビではない場合もある
パンチェッタ三週間目、熟成の証、白いアミノ酸 pic.twitter.com/WcwrGEQL
— 杉田幸信 (@knoby5000) October 14, 2012
自家製パンチェッタは、乾燥中に白い斑点のような結晶が豚肉の表面に現れることがあります。これは豚肉に含まれるアミノ酸が結晶化したもので、熟成が進んでいる証拠なので失敗ではありません。
他に、ヨーグルトのような臭いがした場合や全体的に豚肉の色が濃くなった場合も熟成が進んでいる証拠です。白色で綿のようなものはカビの可能性が高いので、食べずに処分してください。
自家製「パンチェッタ」が腐る・失敗する原因は?

自家製パンチェッタが腐る・失敗するのは、何か原因があるのでしょうか。ここでは、自家製パンチェッタが腐ってしまう原因を2つ紹介します。
①塩分濃度が低い
豚肉の重さに対して塩分濃度が低すぎると、乾燥や保存している最中に菌が増えて腐敗に繋がります。豚肉を適切な塩分濃度で塩漬けにして乾燥させることで、微生物の繁殖を抑えて長期間の保存が可能です。自家製パンチェッタの塩分濃度の目安は豚肉の重さに対して5%以上で、10%程度で塩漬けを行うとより保存性が高くなります。
②熟成期間が長い・環境が悪い
自家製パンチェッタは、熟成期間が長かったり熟成中の環境が悪かったりすると失敗します。パンチェッタは通常1ヶ月ほど熟成させて作りますが、熟成期間が長すぎると、その間に微生物が繁殖して腐敗することがあります。
自家製パンチェッタは、市販品とは違い徹底した衛生環境の中で作ることは難しいので、手や調理器具のこまめな消毒を心掛けてください。熟成期間が長いほど管理が難しくなるので、初めて自家製パンチェッタを作る場合は、2週間ほどで完成するレシピを選ぶのがおすすめです。
また、自家製パンチェッタは10度以上の環境に置くと微生物の繁殖が活発になるため、必ず冷蔵庫で保存することが大切です。完成後の自家製パンチェッタを冷蔵保存した場合の賞味期限の目安は1週間ほどなので、期限切れになったら食べないようにしましょう。
自家製「パンチェッタ」で食中毒・腐るのを防ぐ作り方は?
自家製パンチェッタは、どのようにして作れば食中毒や腐るのを防げるのでしょうか。ここからは、自家製パンチェッタ作りに必要な材料や作り方をポイントとともに紹介するので参考にしてください。
材料
・豚バラブロック肉
・粗塩や岩塩
・黒胡椒やハーブ(好みで)
作り方・ポイント
自家製パンチェッタの作り方とポイントを紹介します。
1、豚肉の表面全体をフォークで刺す
2、塩をまぶして塩漬けにした豚肉をキッチンペーパーで包む
3、キッチンペーパーで包んだ塩漬けの豚肉を冷蔵庫で寝かせる
4、塩漬けの豚肉から出た水分を捨てる
5、塩漬けにした豚肉の塩抜きをする
6、キッチンペーパーで豚肉を包んで冷蔵庫で乾燥させる
塩漬けの期間は3日~1週間を目安にし、キッチンペーパーがドリップで濡れた場合は取り替えてください。塩漬けにしている間にドリップが出ない場合は塩分濃度が低い可能性があるので、塩を足してしっかりと脱水を行います。塩抜きに掛かる時間は、塩分濃度によって異なります。
乾燥させるとやや味が濃くなるので、加熱して何も付けずにそのまま食べられるくらいになるまで塩抜きするのがおすすめです。塩抜き後、乾燥させる前に好みでハーブや黒胡椒をまぶすと、香り付けとともに乾燥しすぎを防ぐことができます。乾燥中は豚肉全体が満遍なく乾くように、向きを変えてください。
自家製「パンチェッタ」で食中毒・腐るのを防ぐ保存方法も!

自家製のパンチェッタは、適切な方法で作っても保存方法を間違えると腐ってしまうことがあります。ここでは、食中毒や腐るのを防ぐための適切な保存方法を紹介するので参考にしてください。
1週間程度であれば冷蔵保存でOK
自家製パンチェッタは、乾燥後1週間程度であれば冷蔵での保存が可能です。乾燥後に冷蔵庫で保存する場合は、1食分ずつ切り分けてラップで包んで密閉できる袋や容器に入れます。
また、食中毒や腐るのを防ぐためにも、常温で保存することは絶対に避けてください。ほとんどの微生物は、10度以下で保存することで繁殖を抑制することが可能です。自家製のパンチェッタは、衛生上の観点から生でそのまま食べることはできないので、必ず加熱してから食べましょう。
長期保存は冷凍がおすすめ
1週間以内で食べ切れない場合は、冷凍での保存がおすすめです。自家製パンチェッタを、冷凍庫で長期保存する際のポイントを紹介するので参考にしてください。
・使う分ずつ小分けにする
・ラップで包んで密閉できる袋や容器に入れる
・1ヵ月を目安に使い切る
完成したパンチェッタを何度も触ったり、冷蔵庫や冷凍庫から取り出したりを繰り返すと雑菌が増えて食中毒に罹るリスクや腐るリスクが上がります。そのため、使う分量ごとに小分けにしてラップで包んで冷凍するのがおすすめです。
他の食品の臭いが移ったり空気に触れたりしないように、密閉できる袋や容器に入れることも大切です。自家製パンチェッタは市販品と違って腐るリスクが高いため、冷凍保存する場合は1ヵ月を目安に使い切りましょう。
冷凍保存をしていても、保存方法や環境が悪いと腐ってしまうことがあります。変な臭いがしたり、緑色や白色のカビが現れたりした場合は食べないでください。
パンチェッタは食中毒に注意して楽しもう
パンチェッタは、作り方や保存方法を守れば豚肉と家にある調味料で作れる万能食材です。自家製のパンチェッタを作ったり食べたりする際は、衛生面に気をつけて必ず加熱調理をしてから楽しんでください。