春菊(シュンギク)の栄養素と効能は?美容効果あり?成分を逃がさない食べ方も紹介!
【管理栄養士監修】春菊に含まれる栄養成分を知っていますか?今回は、春菊の栄養素・効能に加え、栄養成分を効率的に取れる食べ方を紹介します。ほかにも、春菊の旬や選び方のポイントも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
春菊はどんな野菜?

春菊はおひたしにしたり、鍋の具材としてよく使用される野菜です。独特の風味が特徴の春菊ですが、旬の時期や上手な見分け方はどの様なものなのでしょうか。
春菊の旬
スーパーなどで一年中手に入る春菊ですが、旬の時期は11月から2月くらいです。旬の春菊は茎や葉が柔らかく、他の時期よりもより良い香りが愉しめます。ちょうど鍋のシーズンと重なるので、具材に使用して美味しく頂きましょう。
(*春菊の旬について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
新鮮な春菊の見分け方
春菊が持つ特有の風味をしっかり感じたいなら、できるだけ新鮮な物を選びましょう。
・緑色が濃いもの
・葉先までしっかりしているもの
・茎が太過ぎず、少し細めであるもの
葉の色が黄色っぽく変色しているものは、鮮度があまり良くない証です。出来るだけ、綺麗で濃い緑色をした春菊を選びましょう。茎の柔らかな食感を愉しみたいなら、細めのものを選ぶのがおすすめです。
春菊の栄養素と効能は?美容・ダイエットに効果あり?

カロリー | 22kcal |
---|---|
水分 | 91.8g |
タンパク質 | 2.3g |
糖質 | 0.7g |
食物繊維 | 3.2g |
脂質 | 0.3g |
上記は、春菊に含まれるカロリーや糖質量などを記載した物です。続けて、春菊に含まれる栄養素と効能についても紹介します。(※1)
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
和菜
管理栄養士
春菊は、緑黄色野菜で積極的に摂りたい食材です!骨を丈夫にするカルシウム、塩分調節をする役割のあるカリウム、体内でビタミンAに変換され、髪の健康維持や皮膚や粘膜の保持などの働きがあるβカロテンなどが豊富です。
①カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
120mg | 650mg | 18% |
100gの春菊にはカルシウムが120mg含まれており、100g中110mgである牛乳よりも少し多い数値となっています。カルシウムは歯や骨を作るのに欠かせない栄養素であるだけでなく、神経の興奮を抑えたり、血液の凝固作用を助ける働きもあります。(※2)
②βカロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
4500μg | - | - |
春菊には、人参の半量ほどのβ-カロテンが含まれています。β-カロテンはファイトケミカルの一つでもあり、優れた抗酸化作用を持っています。摂取することで免疫が上がるとも言われており、癌のリスクを低減させる効果も期待されています。(※3)
③カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
460mg | 2500mg | 18% |
カリウムには体内のナトリウム量を調節する働きがあり、摂取すれば摂り過ぎたナトリウムを体外に排出してくれます。血圧を下げる効果もあるので、高血圧気味の方にもおすすめの栄養素です。
また、体内のナトリウム量が調節されれば、体内に溜めすぎた水分も排出され、むくみも解消されます。むくみを放置するとセルライトとなり、ダイエットの邪魔になるので注意しましょう。(※4)
④鉄分
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.7mg | 7mg | 24% |
鉄分は体内に入ると、そのほとんどが赤血球を作るために使われます。赤血球を構成しているヘモグロビンは酸素を体中に送る重要な働きをしているので、その素となる鉄分を摂取しておくのはとても重要な事です。貧血気味という人や、貧血を予防したい方はぜひ意識して摂取しましょう。(※5)
⑤ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.7mg | 6.5mg | 26% |
ビタミンEも抗酸化作用を持っており、体の酸化を防いでくれます。細胞だけでなく血中コレステロールの酸化も防ぐので、動脈硬化・生活習慣病などの予防やダイエットにも効果が期待できます。(※6)
⑥α−ピネン・ペリルアルデヒド
α−ピネン・ペリルアルデヒドは春菊の香り成分ですが、ただ香りが良いだけでなく胃腸の働きを促進してくれる効果も期待できます。α−ピネン・ペリルアルデヒドが含まれているおかげで春菊は香りがよく胃腸に優しいので、お粥に添えて頂くのもおすすめです。(※7)
⑦葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
190mg | 240mg | 79% |
春菊には多くの葉酸が含まれており、100g食べれば1日の目安摂取量の8割ほどを摂取できます。葉酸は細胞分裂などに大きく関与しているため、妊婦さんにとって重要な栄養素であると言われています。妊婦の方がしっかり葉酸を摂取することで、先天異常の神経管閉鎖障害になるリスクを下げることが期待できます。(※8)
春菊の栄養素が効率的に取れる食べ方は?加熱NG?

春菊に含まれる栄養素を、効率的に摂取できる食べ方を見ていきましょう。加熱する場合の注意点や水溶性の栄養素もしっかり摂取できる方法についても記載しているので、春菊をどうやって食べようか悩んでいる方はぜひ読んでみて下さい。
生で食べる
春菊は生食できるので、シンプルに味わいたいならばサラダをおすすめします。春菊を新鮮なまま味わう事ができますし、加熱で壊れてしまう栄養素までしっかり摂取することができます。鮮度が落ちると葉酸など減少する栄養素もあるので、できるだけ状態が良いものを使用しましょう。
加熱する場合は短時間で
春菊には妊婦の方に必要な栄養素である葉酸が含まれますが、熱に弱いといったデメリットがあります。サラダは苦手で、炒め調理などに使用したいといった場合は出来るだけ短時間で済ませる様にしましょう。スープ以外の煮込み調理など、長時間加熱する調理法は春菊には適しません。
和菜
管理栄養士
さっとお湯で茹でて、ナムルやお浸し、和え物などもおすすめメニューですね。
スープなど汁物で食べる
春菊の栄養をしっかり摂るためには、スープなど汁物で食べるのも効果的な方法です。カリウムや葉酸は水溶性で、汁を飲まない煮込み調理に使用してしまうと水分の中に栄養素が流れ出てしまいます。しかし、スープなど汁ごと頂くレシピに活用すれば、流れた分まで丸ごと摂取出来ます。水溶性の栄養も無駄にしないために、調理法も工夫しましょう。
食べ合わせを考える
鉄分は、ビタミンCやタンパク質と一緒に摂ることで吸収効率が上がります。貧血予防で春菊に含まれる鉄分を効率よく摂取したいなら、肉や魚と一緒に調理したり、トッピングにレモンなどを使用するのがおすすめです。サラダの場合は、柑橘類を使用したドレッシングを選ぶと良いでしょう。
春菊は栄養豊富な野菜
春菊には妊婦さんに積極的に摂取してほしい葉酸や、貧血気味の方におすすめな鉄分などさまざまな栄養素が含まれています。水溶性の栄養素でも調理法に気をつけることでより効率よく摂取できるので、食べ合わせなども意識して春菊を味わってみましょう。