モロヘイヤの栄養素と効能は?加熱はNG?成分を逃さない調理法や毒性の注意点など紹介!
【管理栄養士監修】モロヘイヤに含まれる栄養素を知っていますか?エジプトでは「王様の野菜」と呼ばれていました。今回は、モロヘイヤの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない調理法を紹介します。モロヘイヤの毒性の注意点も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
④食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
5.9g | 20g | 30% |
食物繊維の量は5.9gでほうれん草の倍くらいです。食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、水溶性は腸の中の有用微生物の栄養となって腸内環境を良くしてくれます。また不溶性食物繊維は大腸の中の有害物質を吸着して排出するので、便秘予防とともに栄養素の吸収を高める効果があります。
便秘になりやすい妊婦さんには嬉しい効能ですね。(※6)
⑤カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
260mg | 650mg | 40% |
モロヘイヤはカルシウムも多く、260㎎という数字は牛乳のカルシウムの倍以上です。カルシウムは多くを骨の形成や維持に使われますが、細胞分裂やホルモン分泌、神経伝達や精神を安定させるなど、重要な生命活動に関わっています。生命活動に使われる分は、常に一定量確保されているため、不足すると骨を溶かして補います。
妊婦さんがカルシウム不足になると、胎児の発育障害や、基本的な身体機能の発育が低下します。妊娠中は胎児に使われる分も母体から優先的に使われるので、通常より骨粗しょう症のリスクは高まります。(※7)
住吉彩
管理栄養士
モロヘイヤは、野菜の中でも格段に栄養価の高い食材です。他にもビタミンB群なども豊富で、エネルギー代謝を活発にしてくれたり、不足すると集中力の低下や疲れの原因にもなるので、特に旬の夏の時期には積極的に食べたいですね。
モロヘイヤの毒性の注意点は?
モロヘイヤの種子と茎に注意
モロヘイヤはジュートとも呼ばれますが、ジュートの種に強い毒性が含まれていることは70年前から知られていました。国の検査でも種や茎からストロファンチジンの検出が報告されています。毒性の症状は、めまい・動悸・吐き気・最悪の場合は心不全を起こす可能性もあります。
売られているものは種はついていませんが、家庭菜園での栽培では注意が必要です。調理の際には必ず茎から外して、葉だけ食べましょう。
(*モロヘイヤの毒について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
モロヘイヤの栄養成分を逃さない調理法は?加熱NG?
モロヘイヤは効能の高い栄養素を種類も量も多く含んでいます。最小限の損失で効果的に食べる方法をお伝えします。
①生食か短時間の加熱調理
モロヘイヤは全草にシュウ酸を含み、茎にも毒性があるので、少量なら生食しても良いでしょうが、ほうれん草のようにアク抜きをした方が良いですね。ただしモロヘイヤには水溶性の栄養がビタミンCやパントテン酸など多く含まれるので長時間の加熱はせっかくの栄養を流出させてしまいます。
モロヘイヤを加熱して包丁で叩くとネバネバしたムチンが出ますが、このムチンも水溶性で、人体の粘液の成分を調整する効能があります。
②油と一緒に食べる
モロヘイヤの栄養分は脂溶性のものも多く、βカロテン・ビタミンE・ビタミンKなどを含んでいます。これらは油と一緒に食べると吸収が良いので、油で炒めたり、天ぷらやドレッシングで和えても良いですね。