とうもろこしの栄養成分・効能は?缶詰との比較や効果的な食べ方も紹介!
【管理栄養士監修】とうもろこしに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、とうもろこしの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない食べ方も紹介します。生のとうもろこしだけでなく、缶詰との栄養価の比較なども紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
とうもろこしはどんな野菜?

とうもろこしは茹でても焼いても美味しく、子供にも人気の野菜です。普段何気なく食べているとうもろこしですが、どういった種類があるのかを改めて確認してみましょう。
とうもろこしの種類
とうもろこしの種類には、スイートコーン、ポップコーン、デントコーン、フリントコーン、ワキシーコーン、ソフトコーンとがあります。日本で最もなじみがあるのは糖度が高いスイートコーンで、その中でも黄色と白の2色の実が付くバイカラー種が多く流通しています。
とうもろこしは種類によって味や硬さが異なっており、そのまま食べる以外にもコーンスターチの原料となったり、工業用や家畜飼料などさまざまな用途で使用されています。
(*甘いとうもろこしの種類について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
とうもろこしの栄養成分と効能

カロリー | 92kcal |
---|---|
水分 | 77.1g |
タンパク質 | 3.6g |
糖質 | 13.8g |
食物繊維 | 3g |
脂質 | 1.7g |
上記は、とうもろこし100g当たりに含まれるカロリー・糖質量などを一覧にした物です。他にはどんな栄養素が含まれているか、効能と共に紹介します。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①ビタミンB1・B2
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.15mg | 1.4mg | 11% |
ビタミンB1には体内の糖質がエネルギーに変化するのをサポートする働きがあり、摂取することで体に疲労物質を溜まりにくくしてくれます。(※2)
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.1mg | 1.6mg | 6% |
また、ビタミンB2は発育に関与する栄養素で、皮膚や髪などの細胞が生まれ変わる時にも使用されます。ビタミンB1もB2も水溶性で体内にストックしておけないので、とうもろこしなどの食品からしっかり摂取しておきましょう。(※3)
②食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3g | 20g | 15% |
とうもろこしには食物繊維も含まれています。食物繊維は実だけでなくひげにも含まれている栄養素なので、お茶にして頂きましょう。とうもろこしのひげ茶を飲めば食物繊維によって腸を刺激され、腸内環境の改善効果が期待できます。また、糖質の吸収を抑制する働きもあるので、ダイエット中の方にもピッタリです。(※4)
③ミネラル
とうもろこしには、カリウムやマグネシウムといったミネラルも含まれています。カリウムは体内のナトリウム量を調節してくれるので高血圧の方やむくみが気になる方に効果的ですし、マグネシウムは心疾患や老化防止に期待が出来る栄養素です。
100g中に3mgなので、間違ってはいないですが、記載がないほうが好ましいです。とうもろこしは子供でも食べやすい野菜なので、無理なくカルシウムを摂取できます。(※5)
④糖質
近年では嫌厭されがちな糖質ですが、体の重要なエネルギー源となっています。疲れた時に甘いものを食べると良い、と言われるように脳も糖質がエネルギー源なので、極端にカットする事で意識障害が起こる可能性もあります。リスクを避けるためにも、適量を摂取しましょう。(※6)
⑤脂肪酸
とうもろこしには多価不飽和脂肪酸であるリノール酸や、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸も含まれています。脂肪酸には悪玉を減らして善玉コレステロールを増やす働きがあり、動脈硬化から起こる狭心症や脳梗塞といったリスクを減らしてくれます。(※7)
⑥ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
8mg | 100mg | 8% |
それほど多い量ではありませんが、とうもろこしにはビタミンCも含まれます。ビタミンCには抗酸化作用があり、活性酸素によって体が老化するのを防いでくれます。また、皮膚や粘膜を健康に保ったり、鉄と一緒に摂取することで鉄の吸収率を上げるといった働きもあります。(※8)
熊橋麻実
管理栄養士
とうもろこしの栄養素の中心は糖質で、エネルギー源として優れています。そのうえ、ビタミン・ミネラル、食物繊維がバランス良く含まれているので、子どものおやつにぴったりですね。
とうもろこしの栄養成分を逃さない調理法・食べ方は?

とうもろこしの栄養を逃がさず美味しく頂ける調理法を紹介するので、メニュー選びの参考にして下さい。
①コーンの缶詰より生とうもろこしを食べる
栄養素 | 生とうもろこし | 缶詰 |
カロリー | 92kcal | 87kcal |
水分 | 77.1g | 78.2g |
タンパク質 | 3.6g | 1.7g |
糖質 | 13.8g | 16.8g |
食物繊維 | 3g | 1.8g |
脂質 | 1.7g | 0.5g |
以上は、缶詰と生とうもろこしのカロリー・糖質量など比較した表です。ビタミン類など、ほとんど生とうもろこしの方が缶詰より豊富となっており、表を見るとタンパク質も多いことがわかります。しかし、糖質においては缶詰の方が高く、糖質制限中の方は、生とうもろこしを食べるといいでしょう。また、缶詰のコーンには塩分も含まれるので注意しましょう。
②旬の時期に食べる
栄養をしっかり摂取出来て美味しいとうもろこしを食べたいなら、旬の時期のものを食べるのがおすすめです。とうもろこしは収穫された時からどんどん糖分がデンプンに変化してしまうので、旬の時期に収穫した物を出来るだけ早く頂きましょう。
(*とうもろこしの旬について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③新鮮なとうもろこしを選ぶ
栄養価の面でも味の面でも、新鮮なとうもろこしを選ぶ事は重要です。
・弾力があるもの
・実が多く、水分を含んでずっしりしているもの
・ひげが茶色
上記のものが新鮮なとうもろこしを選ぶ際のポイントです。優しく実を押してみて、硬すぎず柔らかすぎず、適度に弾力を感じる物がおすすめです。また、ひげが茶色く変色しているのは熟している証なので、購入時はひげにも注目してみましょう。
熊橋麻実
管理栄養士
とうもろこしは収穫後が特に甘いと言われています。時間が経つにつれ、美味しさが失われていくので、できるだけ早く食べるか、加熱して保存しましょう。とうもろこしは茹でる、蒸す、電子レンジを使うなどして、下ごしらえして保存することができます。
とうもろこしは栄養豊富な野菜
子供にも人気のとうもろこしにはビタミンや食物繊維など、さまざまな栄養素が含まれています。コーン缶は手軽で便利ですが、塩分やタンパク質の事を考えると生とうもろこしを選ぶのがおすすめです。