ヤーコンの栄養価と効能は?ダイエット効果ある?保存法や食べ過ぎの注意点も紹介!
【管理栄養士監修】ヤーコンに含まれる栄養素を知っていますか?ヤーコンは中南米アンデス高地原産のキク科植物です。今回は、ヤーコンの栄養成分・効能に加え、栄養成分がとれる食べ方も紹介します。ヤーコンの保存方法やレシピのおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ヤーコンはどんな食材?

ヤーコンはオリゴ糖、食物繊維、ポリフェノールを多く含む野菜の一種です。特に、整腸作用の効果が期待されるフラクトオリゴ糖を多く含んでいるため、“オリゴ糖の王様”と言われることもあります。
ヤーコンの旬・選び方
旬のヤーコンを選び方には2つのポイントがあります。
・ヤーコンは太過ぎないもの
・硬く締まりがあり重いもの
ひょろひょろしたものは中身があまり入っていないことがあります。しかし、太すぎるものが良いわけではないため、細過ぎず太過ぎない表面がきれいなものを選びましょう。また、触れた時に硬く張りがあり、重みが感じられるものが旬のヤーコンです。
ヤーコンのカロリー・糖質
カロリー | 54kcal |
---|---|
タンパク質 | 0.6g |
糖質 | 11.3g |
食物繊維 | 1.1g |
脂質 | 0.3g |
*ヤーコン可食部100gあたり
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
上記はヤーコンの基本的な栄養成分ですが、じゃがいも(生)のカロリーが76kcalなのに対し、ヤーコンは54kcalと低カロリーです。糖質が多くなっているのは、オリゴ糖が多く含まれていることが影響しています。また、食物繊維も多く配合されています。
ヤーコンの栄養成分と効能は?ダイエット効果ある?

冒頭でもお伝えした通り、ヤーコンはオリゴ糖や食物繊維、ポリフェノールを多く含んだ野菜です。ここからは各栄養素にどのような効果・効能があるのかをご紹介します。
①オリゴ糖
ヤーコンにはフルクトオリゴ糖というオリゴ糖が多く含まれています。フルクトオリゴ糖は難消化性の成分で、体内の消化酵素で消化されず、そのまま大腸に到達し大腸に住む善玉菌の餌となり腸内活性化に繋がります。また糖として吸収されないため、血糖値の上昇に影響しません。甘味も砂糖に近いため、置き換えで使用することも出来るでしょう。
管理栄養士mou
管理栄養士
ヨーグルトなど生きた善玉菌を含む発酵食品は「プロバイオティクス」と言われ、腸内環境を整えるのに効果的だと知られています。 しかし、腸内にある程度の期間は存在しても、住み着くことはありません。そのため、腸内にもともとす住みついている善玉菌の数を増やすことも重要なのです。 ヤーコンに含まれるオリゴ糖や食物繊維などは善玉菌のエサとなる「プレバイオティクス」。しっかり摂ることで、腸内環境を整えられますよ。
②カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
240mg | 2500mg | 10% |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
カリウムは細胞内液に存在し、細胞外液に存在するナトリウムとバランスを保たれています。ナトリウムを摂取しすぎると血圧が上昇し高血圧の原因となります。一方で、カリウムには血圧を低下させる効果があるためバランス良く摂取することが重要です。
その他、神経刺激伝達、心臓機能・筋肉機能調節、細胞内の酵素反応調節など多くの働きがありますが、体内の余分な水分を排出するのでむくみの解消にも効果的です。(※2)
③食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.1g | 20g | 6% |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
ヤーコンに含まれる食物繊維には不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は、水分を吸収して体積を増やし腸の蠕動運動を活発にすることで便通を促進させ便秘の解消に効果的です。
水溶性食物繊維は水に溶けゲル状になることで糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の上昇抑制効果や、コレステロール排出作用あると期待されています。どちらも腸内細菌のエサになるので整腸効果があります。(※3)
④β-カロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
22μg | - | - |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
ヤーコンに多く含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変換され皮膚・粘膜の機能維持や、光反射反応に関わっている重要な栄養素です。その他にも有害な活性酵素から身体をバリアする抗酸化作用や免疫を高める作用や、日常的に摂取することによって心疾患やがんリスクの軽減にも繋がると報告されています。(※4)
⑤マグネシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
8mg | 340mg | 2% |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
ヤーコンはマグネシウムも多く含まれています。マグネシウムは骨に約50〜60%、筋肉に40%存在し、体内で栄養素の合成・分解促進や、遺伝情報発現・神経伝達、血圧調整、筋収縮など多くの機能と関わってます。一方で不足してしまうと、骨粗しょう症や不整脈、筋肉の痙攣などの症状が発症する可能性がある為注意が必要です。(※5)
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管理栄養士
その他、ヤーコンの根菜部や茎葉部には特にクロロゲン酸関連のポリフェノールが多く、抗酸化作用、糖尿病性合併症の予防効果、抗ウィルス活性、高尿酸血症予防作用など多くの効果が報告されています。
ヤーコンの栄養成分が取れる食べ方は?

栄養豊富なヤーコンですが、効率よく栄養成分を摂る方法はあるのでしょうか。効率よく栄養成分を摂る方法をここで紹介します。
①アク抜きをする際は水に晒しすぎない
ヤーコンをアク抜きする際は水に浸ける作業を行うことがあります。しかし、水に浸ける時間が長くなってしまうと、ヤーコンに含まれるフラクトオリゴ糖やビタミンB群などがが水に溶け出てしまいます。フラクトオリゴ糖を流してしまわぬよう、塩水で洗い流すという方法でアク抜きをしましょう。
(*ヤーコンのアク抜きについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②皮ごと食べる
ヤーコンの皮にはポリフェノールが多く含まれていますが、ポリフェノールには体内で有害な活性酸素を取り除く抗酸化作用や、動脈硬化予防に効果的です。ヤーコンは皮を剥いてしまうとポリフェノールが激減してしまう為、皮まで美味しく食べる方が効率よく栄養摂取が出来ます。
③加熱する際は短時間で調理する
ヤーコンを長時間加熱してしまうと、整腸作用などに関わる水溶性の食物繊維が失われてしまう恐れがあります。揚げ物などはなるべく避け、お湯にさっと潜らせる程度が栄養素も守られ、独特の歯ごたえも残ります。
ヤーコンを食べる際の注意点は?

栄養豊富なヤーコン、生でも加熱調理も出来ますが食べ過ぎた際の注意点などはあるのでしょうか。ヤーコンを食べる際に注意してほしい点を紹介します。
ヤーコンを食べ過ぎると下痢になることがある
ヤーコンはフラクトオリゴ糖や食物繊維が多く含まれている為、整腸作用の効果が期待されます。しかし、一度に大量摂取してしまうと整腸作用が働き過ぎてしまうため、鼓腸や下痢を生じる恐れがあり注意が必要です。
ヤーコンの保存方法は?

栄養豊富なヤーコンですが、その栄養素を逃さずに保存する方法はあるのでしょうか。ここからは冷蔵・冷凍の保存方法をご紹介します。
ヤーコンは冷蔵・冷凍どちらでも保存できる
実は、ヤーコンは冷蔵・冷凍どちらの保存方法も可能な野菜です。
【冷蔵】
<丸ごと>
・新聞紙に包み野菜室に保存
・保存期間/1週間〜10日
<カット>
・隙間なくラップに包み野菜室に保存
・保存期間/3日
【冷凍】
①使いやすい大きさに切る
②なるべく平らにし、小分けして隙間なくラップに包む
③ジップ付きの袋に入れ、冷凍庫にいれる。
・保存期間/2週間〜3週間
冷蔵保存の場合、そのままの形で保存するよりも新聞紙などで包む事で鮮度を保つことが出来ます。切ってしまうと空気に触れる面積が大きくなり腐敗が早くなるため、早めに食べましょう。
冷凍保存の場合、小分けすることで料理に使う分だけ取り出せるので使い勝手が良くなります。解凍してしまうとヤーコン独特の食感が損なわれる可能性がある為、料理に加える際はそのまま解凍せずに加えましょう。
ヤーコンの栄養がとれるレシピのおすすめ
ここで、ヤーコンの栄養を効率よく摂りつつ、ヤーコン独特の食感を楽しめるレシピを紹介します。献立の参考にしてみて下さい。
ヤーコンのきんぴら
ヤーコン独特の食感を残しつつ、効率よく栄養素を摂ることが出来ます。食卓の副菜としてオススメの1品です。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
②ヤーコンのサラダ
ヤーコンは生でも甘味や食感を楽しむことが出来るので、サラダにしても相性抜群です。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
③ヤーコンのめんつゆ漬け
めんつゆに漬けるだけで簡単に出来る時短レシピです。ヤーコンの食感を楽しみつつご飯の進む1品が出来ます。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
ヤーコンは栄養豊富な食材
ヤーコンは見た目がサツマイモのようですが、梨のような独特の食感で栄養がとても豊富です。様々な効果・効能が期待出来る為、保存方法で栄養や食感を損なわないようにしながら日頃の食事に加えて食べましょう。