ピーナッツの食べ過ぎは太る?悪影響?適切な摂取量や健康効果なども紹介!
【管理栄養士監修】ピーナッツの食べ過ぎは体に悪いと知っていますか?今回は、〈太る〉〈腹痛・下痢や胃痛〉〈ニキビ〉などピーナッツの食べ過ぎによる悪影響や1日の摂取量の目安を紹介します。ピーナッツを適切に食べた時の健康効果も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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ピーナッツの食べ過ぎは体に悪い?
ピーナッツを使ったお菓子はたくさんあり、手に取りやすい大きさはつい後を引いて食べ過ぎてしまいますね。ピーナッツは食べ過ぎると良くないと言われますが、本当でしょうか。
コレステロール自体は良性
ピーナッツはもともと日本では落花生や南京豆と呼ばれ、花が受粉後地面に潜り実を付ける面白い植物です。炒って売られるピーナッツは半分近い成分が脂質で、生命活動のエネルギーを作り出す飽和脂肪酸やオレイン酸、そして身体の生理活動に使われるリノール酸やα-リノレン酸など、不飽和脂肪酸を多く含みます。
これらの脂肪酸は、細胞膜や筋肉を作るホルモンや胆汁酸の材料になるからコレステロールを作り、脂溶性ビタミンを吸収しやすくするなど、大切な働きをします。コレステロールが不足すると、皮膚はハリを失い、血管が切れやすくなり、脂溶性ビタミンをうまく取り込めなくなるので、免疫力が低下する場合もありますが、摂りすぎれば太るので注意しましょう。(※2)
ピーナッツの食べ過ぎによる悪影響とは?
ピーナッツに含まれる脂肪酸やコレステロールがが人間にとって重要な働きをすします。一方、食べ過ぎると消化は悪そうですが、どのような弊害があるのか見てみましょう。
①太る
ピーナッツは脂肪酸も多く、食べ過ぎれば確かに太りそうなイメージがありますが、まずはピーナッツのカロリーや糖質量を確認してみましょう。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※3)
(100gあたり)
・成人男性の1日のカロリー:2665kcal
・カロリー:588kcal
・糖質量:9.9g
上記は炒ったピーナッツのカロリーと糖質量ですが、カロリー588kcalとは普通盛りのご飯2膳分より多い量で、ピーナッツ100gで1回の食事の6割のカロリーになります。また、糖質量はじゃがいもの約2/3に相当します。ピーナッツ100g食べて、更に普通に食事をしていたら太る可能性が高いですね。
そしてピーナッツの成分の半数近くが脂質なので、食べ過ぎれば身体に良い脂肪酸も余剰な中性脂肪やコレステロールになり、皮下や内臓の周りや肝臓に蓄えられ、太る原因になります。また一度にたくさん食べることで血糖値が上がり、インシュリンを大量に分泌させてしまいます。インシュリンは脂肪細胞を蓄え燃焼させないので、更に太ることになります。
秋山 嘉代
管理栄養士
ピーナッツは水分含有率がとても低いので消化がよくありません。よく噛む他に、砕いてピーナッツ和えにしたりサラダのトッピングなどにすると消化を助けることに繋がります。
(*ピーナッツのカロリーや糖質について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②腹痛・下痢や胃痛
ピーナッツの食べ過ぎは、腹痛や胃痛、下痢になると言われます。ピーナッツが消化が悪いのは、含水量が少ないわりに栄養分の種類や量が多く、それぞれの吸収過程も違うので消化吸収に時間が掛るのです。急激に食べ過ぎれば、胃の消化分解が終わらぬうちに次々ピーナッツが胃に入り、未消化のまま小腸・大腸へ押し出されて胃痛や腹痛を引き起こします。
脂質は消化吸収に時間のかかる栄養素なので、食べ過ぎずによく噛んで、少しでも消化してから胃に送った方が胃腸の負担は少なくなりますね。
③ニキビ・肌荒れ
ピーナッツを食べ過ぎるとニキビが出来やすい、肌荒れになると良く聞きます。コレステロールが多ければ、十分ありえそうですが、実証されてはいません。ただし、10代のうちはホルモンバランスも不安定で、皮脂が毛穴から分泌されやすいため、酸化した皮脂がニキビの原因になることはあります。
ピーナッツの食べ過ぎが、ニキビや肌荒れの原因もしくは一因となると言う意見と、個人の体質やその時の体調によるところが大きい、というのが医師の間でも意見の分かれるところです。ただし、食べ過ぎれば消化されないピーナッツによって腸内環境が乱れて、肌に効果的な栄養分を取り込めなくなることは十分考えられるます。