菜の花の栄養価と効果・効能は?食べ過ぎの注意点や食べ方・レシピのおすすめも紹介!
菜の花にはどんな栄養成分が含まれているか知っていますか?今回は、菜の花の栄養価や効果・効能のほか、〈食べ過ぎ・アレルギー〉など食べる際の注意点を紹介します。菜の花の栄養価が取れる食べ方・レシピも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
菜の花とは?

菜の花はアブラナ科アブラナ属に分類される二年草の中でも、菜葉(なばな)と呼ばれる食用の葉やつぼみをさし、春先のスーパーで見かけたことがある人も多いことでしょう。ここでは、様々な料理に使われる菜の花について詳述します。
菜の花の旬・産地
菜の花はアブラナ科の総称なのでキャベツや大根、白菜、チンゲン菜、ブロッコリーなども含まれます。しかし食用の菜の花は日本の在来種であるアブラナ、もしくは外来種であるセイヨウアブラナを指します。
菜の花は12月下旬から3月にかけて流通していますが、旬と呼ばれるのは2~3月です。農林水産省が2016年に発表した、菜の花の主な産地は三重県や東京都、群馬県、栃木県、新潟県とされています。中でも三重県は、32%のシェアを誇ります。
菜の花のカロリー・糖質
カロリー | 糖質 | |
菜の花 | 33kcal | 2g |
ほうれん草 | 20kcal | 0g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
上記は100gにおけるカロリーと糖質をあらわしていますが、ほうれん草の方が低くなっています。しかし、菜の花はカロリーに見合うだけの栄養成分を含んでおり、詳細は後述します。
菜の花の栄養価や効果・効能は?

前述した通り、菜の花は栄養成分が豊富なことで知られています。そのため、健康や美容、ダイエットに役立つ効果や効能が期待できるのです。ここでは、菜の花に含まれる栄養成分とそれぞれの効果と効能について説明します。
①カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
390mg | 2500mg | 16% |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
※1日の摂取量は成人男性の目安です。
菜の花に多く含まれているカリウムには、余分なナトリウムを体外に排出する働きを持ち、むくみの解消と予防の効果があります。またカリウムの持つ体内の老廃物や有害物質の排出をサポートする効能により、デトックス効果も期待できるのです。(※2)
②β-カロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2200μg | 9600μg | 23% |
β-カロテンについては1日に占める摂取量の目安が定義されていないため、成人男性のビタミンAの摂取量目安で比較しています。β-カロテンには抗酸化作用があるため、アンチエイジング効果や生活習慣病の予防などの効能が期待できます。
またβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康の維持と免疫力の向上、ドライアイ防止などにも役立ちそうです。(※3)
③ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
130mg | 100mg | 130% |
ビタミンCにはコラーゲンの生成サポートやメラニン色素が過剰に生成されるのを防ぐ働きがあります。そのため美肌効果があることで知られます。さらにビタミンCには抗酸化作用があるため、アンチエイジング仔馬も期待できるのです。(※4)
④食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
4g | 20g | 20% |
菜の花には水溶性と脂溶性両方の食物繊維が含まれているため、腸の中で水分を吸収することで便の量を増やしたり、腸の動きを活発化させる効能があります。胃でも水分を吸収してふくらみ、満腹感を得やすくなるので、ダイエット効果も期待できるのです。(※5)
⑤鉄分
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3g | 7g | 43% |
菜の花にはほうれん草よりも多い鉄分が含まれており、赤血球に含まれているヘモグロビンを構成し、全身の細胞に酸素を運ぶ働きを担います。さらに鉄分には、貧血予防や肝臓の解毒などの効能もあるのです。(※6)
⑥葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
340μg | 240μg | 142% |
菜の花は野菜の中でも葉酸の含有量がトップクラスで、特に妊娠中の女性におすすめです。葉酸は細胞の分裂やDNAの合成と深くかかわる栄養成分であり、貧血の予防や胎児の正常な発育をサポートする効果があることで知られています。(※7)
⑦リン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
86mg | 1000mg | 9% |
ミネラルの一種であるリンはカルシウムと結合することで、骨や歯を生成する働きを担っています。その他にも糖質の代謝をスムーズにする効能があるため、ダイエット効果も期待できます。(※8)
⑧カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
160mg | 650mg | 25% |
菜の花は野菜の中でもカルシウムの含有量が豊富で、骨や歯の生成と健康維持に欠かせない栄養成分の一つです。カルシウムには骨や歯を丈夫にする以外に、骨粗しょう症予防効果もあります。
さらに、筋肉の収縮や正常な神経伝達を行うことにも役立っているのです。(※9)
菜の花を食べる際の注意点は?

食用の菜の葉のほとんどがアブラナであり、旬の時期に美味しく味わっておきたいところです。しかし、過ぎたるは及ばざるがごとしとの諺があるように、食べ方には配慮が必要です。ここでは、菜の花を食べる際の注意点を紹介します。
①菜の花の食べ過ぎは良くない
旬の菜の花であっても、食べ過ぎはおすすめできません。菜の花を食べ過ぎることで、以下のような症状が見られることがあります。
・便が固くなる
・胃腸に負担がかかる
菜の花には食物繊維が多いため、食べ過ぎると消化不良の原因になったり、便が固くなることがあります。胃腸が弱い人や高齢の方は特に、食べ過ぎないよう注意しましょう。
②アレルギー反応が出る可能性がある
菜の花を食べ過ぎることで、アレルギーを発症するケースも報告されています。ブロッコリーをはじめとするアブラナ科の野菜にアレルギーがある人は、菜の花を食べると症状が出る可能性が高いので注意が必要です。
菜の花の栄養成分を逃さない食べ方は?

菜の花には栄養成分が豊富に含まれていますが、調理方法によってそれが流れ出てしまうことも珍しくありません。ここでは、菜の花の栄養成分を逃がさない食べ方を紹介します。
①油と一緒に食べる
菜の花にはβ-カロテンやビタミンK、ビタミンEなどの脂溶性ビタミンが含まれています。そのため、油と一緒に食べて栄養成分の吸収効率を上げるのがおすすめです。菜の花は炒め物や天ぷらにすると、美味しく栄養成分を摂ることができます。
②汁物は汁ごと一緒に食べる
菜の花にはビタミンCやビタミンB群など水溶性ビタミンも含まており、茹でたり水にさらすことで栄養成分が逃げてしまうことがあります。そのため、菜の花を味噌汁やスープパスタに用いて、汁ごと一緒に食べましょう。
味噌汁なら厚揚げと合わせ、パスタにはオリーブオイルを使うと、脂溶性ビタミンの吸収効率も揚げることができ、一石二鳥です。
菜の花の栄養価が取れるレシピのおすすめ
旬の菜の花は栄養価が高いので、しっかり吸収できるメニューにして食べたいところです。ここでは、菜の花の栄養成分を吸収しやすいメニューを3つ紹介します。
①菜の花のおひたし
菜の花の定番メニューであるおひたしは、醤油と砂糖、出汁があれば簡単につくれます。長く茹で過ぎると栄養成分が逃げてしまうので、手早く氷水にひたして絞りましょう。
②菜の花の天ぷら
ほろ苦い菜の花は天ぷらにすると食べやすくなり、栄養成分であるβ-カロテンの吸収率向上にもつながります。衣をつけ過ぎず、サクサクの食感に仕上げましょう。
③菜の花のパスタ
菜の花とにんにく、鷹の爪だけでつくるシンプルなパスタは、ほろ苦さが美味しい大人の味わいです。オリーブオイルで炒めることで緑が鮮やかになり、目も楽しめる一品に仕上がります。
菜の花の栄養価を取り入れよう
今回は菜の花の栄養価や効果と効能のほか、食べ過ぎ並びにアレルギーなど食べる際の注意点を紹介しました。菜の花は栄養価が高く、旬の時期が限られています。旬の美味しさを味わいながら、栄養成分を摂取できる菜の花を食べてみましょう。