なた豆の栄養や効果・効能は?毒性の抜き方やお茶・漢方など取り入れ方など紹介!
【管理栄養士監修】なた豆とはどんな豆か知っていますか?今回は、なた豆の栄養成分や効果・効能にくわえ、選び方・保存方法について紹介します。〈毒性・アク抜き〉など、なた豆を食べる際の下処理や〈お茶・歯磨き粉・漢方〉など成分の取り入れ方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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なた豆とは?
なた豆という植物を聞いたことがありますか。「ジャックと豆の木」のモデルになった豆だそうです。今回は、あまり知られていないなた豆について紹介します。
大きさ・見た目など特徴
なた豆は熱帯原産の食用・薬用に栽培される一年草の植物で、若い莢を食用にし、成熟した豆を薬用に使います。中国伝来で青龍刀のような形から「なた豆」と呼ばれるようになったそうです。
豆を収穫するために成熟するのを待つと、莢の長さは50~60㎝くらいまで大きくなり幅も広く育ちます。中の豆も大きく、3cmほどの長さの長細い豆が成ります。ソラマメよりは大きく、楕円形でコロコロした形です。
石川桃子
管理栄養士
なた豆はあまり食べたことがない方もいらっしゃると思いますが、実は市販の福神漬けに入っていることもあります。切ったときの形が特徴的なので確認してみてください。
旬の時期・季節や種類
なた豆は大まかに3種類あり、豆と花が赤い”赤なた豆”、ピンクの豆で花が白い半つる性の”立なた豆”、豆も花も白い”白なた豆”がありますが、立なた豆は日本ではあまり栽培されません。赤なた豆と白なた豆がツル性であるのに対して、立なた豆は茎が立ちます。
この立なた豆が「ジャックと豆の木」のモデルと言われ「ジャックビーンズ」とも呼ばれます。若莢は8月ごろから収穫され10月ごろまでが旬で、熟した豆の方は9月から11月ごろまでが旬の期間です。
なた豆の栽培方法
熱帯原産なので発芽温度も20℃~25℃と高く、種まきは5月ごろになりますが、殻が硬いので傷をつけて吸水させてから、日当たりと風通しの良い場所に蒔きます。1週間ほどで発芽したら、根元の乾燥を防ぐために雑草かマルチシートでマルチングして、固形肥料か液肥を6月と9月に施します。
蔓の成長が旺盛なので園芸用ネットなどで蔓の管理するかグリーンカーテンとしての利用もおすすめです。花の後の莢を野菜で食べるなら10㎝くらいの時に収穫し、豆をとる場合は秋まで育てて豆がしっかり育ってから収穫します。莢が硬いので、そのまま乾燥させて莢の口が開いてから豆をとりだします。
なた豆の栄養成分と効果・効能
なた豆は漢方などでお茶にも使われていますが、どんな栄養や効果や効能があるのでしょうか。ここではなた豆によって得られる健康効果を紹介します。
①蓄膿症・副鼻腔炎の改善
なた豆は古くから漢方で「膿取り豆」と呼ばれ、なた豆に含まれるアミノ酸の仲間、カナバニンという成分が、 排膿作用、抗炎症作用があります。蓄膿症とは一般的には頭部の空洞に膿がたまる症状のことです。 口腔内などの有害菌が、身体の空洞に入り炎症を起こし、膿が溜まります。
通常の副鼻腔炎(蓄膿症)だと、膿の混じった鼻汁による不快感と、頭痛などが症状として出てきます。上顎の空洞が蓄膿症になった場合、悪化すると細菌によって上顎の骨が溶かされたり、脳炎を起こす可能性もあるので、注意が必要です。
②花粉症の改善
なた豆に含まれるコンカナバリンAという成分は免疫機能を高め、花粉症やアトピー性皮膚炎といったアレルギー反応を緩和する効能があります。慢性的な症状の改善には、手軽なお茶などを続けて摂取するのがおすすめです。皮膚疾患の場合は、お茶をとった後のティーパックを患部に塗布することで湿布として使えます。
③口臭予防
口臭の原因は、内臓疾患を除き、歯周病や口腔内の常在菌のバランスが崩れ、善玉菌の働きが弱くなった場合が多いですね。なた豆に含まれる成分コンカナバリンAは免疫力を高めるため、口の中の酸化を防ぎ善玉菌をバランスよく維持する効能があるため、口臭予防の効果があります。(※1)