エリンギの栄養素と効能は?成分・旨みを引き出す加熱調理法やレシピのおすすめを紹介!
【管理栄養士監修】エリンギに含まれる栄養素を知っていますか?エリンギは歯触りも良く、調理もしやすいことから人気のキノコです。今回は、エリンギの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。栄養の取れるレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
エリンギはどんな食材?

エリンギとはどのような食材でしょうか。なめこやしめじと比べて最近出てきたキノコの印象を持つ方も多いでしょう。。旬やカロリー、新鮮なエリンギの選び方など、基本的な情報を紹介します。
エリンギの旬
エリンギはほとんどが人工栽培なので旬は特にありませんが、よく出回るのは10月から12月です。元々は地中海の辺りのキノコで、日本に入ってきたのは1990年とそこまで古くはありませんが、食感が良いこともあり人気のキノコです。
エリンギのカロリー・糖質
エリンギのカロリーや糖質はどうでしょうか。100gあたりは以下のようになります。
カロリー | 24kcal |
---|---|
糖質量 | 3.1g |
キノコはエリンギに限らず低カロリーではありますが、糖質も低いのでダイエット時の食事にも向いている食材と言えるでしょう。
新鮮なエリンギの選び方
新鮮なエリンギは以下のような部分をチェックしましょう。
・色が白い
・柄の部分にハリがある
・持った時に弾力がある
・裏のひだが白い
裏のひだが黒いものは日数が経過しています。避けて選びましょう。また、傷んでくるとアンモニアのような匂いがします。エリンギは10日ほど日持ちしますが、このような臭いが出てきたら食べないようにしましょう。
エリンギの栄養素と効果・効能

エリンギの栄養素と効能はどのようなものでしょうか。ヘルシーですが、さまざまな体に役立つ栄養が含まれています。基本的な栄養は以下になります。
カロリー | 24kcal |
---|---|
水分 | 87% |
タンパク質 | 3.6g |
糖質 | 3.1g |
食物繊維 | 4.3g |
脂質 | 0.5g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①ビタミンB群
栄養素 | 含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 |
ビタミンB1 | 0.14mg | 1.4mg | 10% |
ビタミンB2 | 0.28mg | 1.6mg | 18% |
葉酸 | 80μg | 240μg | 33% |
ナイアシン | 8.1mg | 15mg | 54% |
エリンギには多くのビタミンB群が含まれており、それぞれに体のさまざまなトラブルから身を守る働きをしてくれます。疲労回復や代謝の促進をしてくれる成分が含まれているので、運動の多いダイエットにもおすすめの成分です。葉酸は細胞の生産を助けることから、妊婦に欠かせない成分です。
ナイアシンは、糖質や脂質などからエネルギーを生産するときに働く補助の役割もあるので、皮膚や粘膜の健康にも一役買ってくれます。(※2)(※3)(※4)(※5)
竹本友里恵
管理栄養士
エリンギや舞茸をはじめとするきのこ類は、実は冷凍保存するのが一番いい方法です。きのこは冷凍することで旨みや香りがアップし、保存期間も約1ヶ月ととても長くなります。きのこを冷凍した後、解凍する際に細胞が壊れてアミノ酸が生キノコの約3倍に増え、旨みも栄養価も高まる仕組みです。できるだけきのこは購入したらすぐに冷凍して美味しさをグンと上げましょう。
②食物繊維(βグルカン)
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
4.3g | 20g | 22% |
エリンギは食物繊維も豊富で、特に注目したいのはβグルカンと言われる食物繊維の1つです。βグルカンは腸内の免疫細胞に直接働きかける働きがあるものの、免疫機能を助ける働きもあるので結果的に全体の免疫機能を高めてくれます。花粉症などのアレルギーにも効果があると言われています。
その他にも食物繊維は便秘の解消や腸内環境の改善に役立つので、ダイエットの他に、便秘になりやすい妊婦にも嬉しい効能です。(※6)
③ビタミンD
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.8μg | 5.5μg | 33% |
ビタミンDは体内に入るとタンパク質の働きを活性化させます。日光を浴びることでもビタミンDは作られますが、現代の日本人には不足しがちです。また、骨や歯を発達させる働きがあり、特に妊婦は不足すると骨軟化症になると言われています。血中のカルシウム濃度を一定にし、神経伝達や筋肉を正常に動かす働きもあります。(※7)
④トレハロース
エリンギにはトレハロースも含まれています。トレハロースは自然界に存在する糖質の一種で、キノコや酵母に多く含まれています。近年では骨粗しょう症やメタボなどの病気の予防に効果があると言われています。
エリンギの栄養・旨み成分が取れる加熱調理法は?

エリンギの栄養や旨みが取れる調理法を紹介します。ほかのキノコよりも大振りなので基本的には小さくして使いますが、栄養を摂るにはどういった使い方が良いでしょうか。
エリンギの茹で方
エリンギに限らず、キノコを茹でる時は沸騰してからではなく、水から入れるのがおすすめです。エリンギの旨味は60度から70度の温度で旨みが増えます。水から入れることでこの温度の中にエリンギがいる時間が長くなり、旨みが非常に多く出てくれます。反対に高温すぎると上手く出てこないので注意しましょう。
小さくする時は手でさくと表面の凹凸が増えて味が染み込みやすくなります。
エリンギの焼き方
炒め物でエリンギを使う場合は最後の方で入れるようにします。焼き物も同じで、短時間でサッと火を通すようにしましょう。エリンギは元々火の通りが早いうえ、長時間焼くと、ビタミンB群などの熱に弱い栄養素を摂取しにくくなります。
エリンギの食べ方の注意点は?

エリンギを食べる時に気をつけなければいけないことはないのでしょうか。注意点を紹介します。
食べ過ぎない
何にでも言えることですが、食べ過ぎには注意しましょう。エリンギは不溶性の食物繊維を豊富に含んでいます。腸内環境を良くするものの、食物繊維は水を含むと膨らむので、お腹が張ってしまいます。
また、腸が活発になりすぎて下痢になる可能性もありますし、繊維で便が増えることから、かえって便秘になりやすくなります。適量は1日1パック程度と言われていますから、目安にしてください。
竹本友里恵
管理栄養士
食用のキノコでも、生の状態で食べたり、一度に大量に食べると食中毒になる事があるので気を付けましょう。サラダなどに加えて生食する食べ方もありますが、加熱必須のキノコがあるため確認が必要です。
エリンギの栄養がとれるレシピのおすすめ

エリンギの栄養が摂れるおすすめのレシピを紹介します。ヘルシーでダイエットの手助けをしてくれるエリンギは歯ごたえもしっかりあるので満足感も得られます。
1. バター醤油炒め
エリンギなどの具材をバター、醤油で炒めたレシピです。サッと出来るので忙しい時でも作れますし、おかずやおつまみなど様々なシーンで楽しめる味付けです。
2. エリンギ入り生姜焼き
豚肉とエリンギの栄養は疲労回復に非常におすすめで、夏バテにも効果があります。ダイエット中なら豚肉を減らしてエリンギを増やすなどの工夫もできます。
3. 塩麹炒め
塩麹に昆布茶が入った和風のエリンギ料理です。冷めても美味しく、作り置きやお弁当にもピッタリな一品です。
4. から揚げ
から揚げは食べたいけどお肉は避けたいというときはエリンギに置き換えてみましょう。ボリュームも歯ごたえもあるので十分満足できます。
5. エリンギとこんにゃくの煮物
食感が楽しいこんにゃくとの組み合わせの煮物です。こんにゃくも便秘に効果のある栄養が含まれているので、お通じに悩んでいるなら作ってみましょう。エリンギは大きめに切っておくと食べごたえが出ます。
エリンギは栄養豊富な食材
エリンギは栄養が豊富でヘルシーなことから、ダイエットにはとてもおすすめで、便秘の改善はもちろん運動後の疲労の回復や食事の満足感も得られる食材です。妊婦に必要な栄養も豊富に含んでいますから、さまざまな料理で楽しんでください。