えのきの栄養素と効能は?加熱NG?成分を逃さない調理法やレシピのおすすめを紹介!
【管理栄養士監修】えのきに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、新鮮なえのきを選ぶコツやえのきの栄養成分・効能に加えて、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。えのきの栄養の取れるレシピも紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
えのきはどんな食材?

えのきは、日本以外でも世界中で食されているきのこです。鍋物、炒め物、煮物など様々な料理に活躍するえのきですが、具体的にどのような食材なのか紹介します。
えのきのカロリー・糖質
えのき100g当たりのカロリー、糖質量を見てみましょう。
カロリー | 22kcal |
---|---|
糖質 | 3.7g |
あまり注目されないえのきですが実は低カロリー・低糖質な優秀な食材です。カンタンに調理出来て、料理のボリュームもアップもできます。さらにシャキシャキとした食感でよく噛んで食べるので満腹感を得やすく、ダイエットの強い味方になってくれます。
新鮮で栄養価の高いえのきの選び方
スーパーで1年中購入することが出来るえのきを、上手に選ぶコツを紹介します。
1、色が乳白色でツヤもあるもの
2、えのきの背丈が全体的に揃っているもの
3、笠が開きすぎていないもの
上記ポイントが新鮮なえのきを選ぶコツになります。新鮮でないえのきは色が黄ばんでいたり、袋の中に水滴がついていたり、全体的にまとまりがなくなるので、スーパーで購入する際は避けるようにしましょう。
えのきの栄養素と効果・効能は?ないって嘘?本当?

カロリー | 22kcal |
---|---|
水分 | 88.6g |
タンパク質 | 2.7g |
糖質 | 3.7g |
食物繊維 | 3.9g |
脂質 | 0.2g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※2)
上記は、えのき100g当たりに含まれるカロリー・糖質量を記載した物です。これら以外の栄養素と効果・効能を紹介します。
①ビタミンB1・B2|基礎代謝の向上
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
ビタミンB1 | 0.2mg | 1.4mg | 14% |
ビタミンB2 | 0.14mg | 1.6mg | 9% |
ビタミンB1は糖質の代謝をサポートし、ビタミンB2は脂質の代謝をサポートします。そのため、身体が温まりやすくなるので基礎代謝が上がり、ダイエットにも効果のある栄養素となっています。しかし、水溶性のため体内に蓄積することができないので、毎回の食事から摂取しましょう。(※3)(※4)
渡辺愛理
管理栄養士
ビタミンB1といえば豚肉!豚肉と一緒に取ることで、さらに吸収率がアップします。
②食物繊維(キノコキトサン・βグルカン)
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3.9g | 24g | 16% |
えのきは食物繊維が豊富なので、コレステロールや脂肪の吸収を妨げ、腸の働きを活発にしてくれますため便秘に効果的です。えのきに含まれているβグルカンは免疫力を強化してくれ、ガンの予防にも効果的です。
また、キノコキトサンというきのこ由来の食物繊維が含まれています。キノコキトサンは不溶性で腸内で溶けずに膨らむため、満腹感を与えてることに加えて、脂肪吸収を抑える働きもあるのでダイエットには良い成分です。(※5)
(*えのきのダイエット効果について詳しく知りたい方は、こちらの記事を読んでみてください。)
③ナイアシン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
6.8mg | 15mg | 45% |
ナイアシンは水溶性ビタミンでビタミンB3とも呼ばれる成分です。ナイアシンは糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素をエネルギーに変えるための手助けをしてくれる働きがあるので、不可欠な栄養素になります。その他にも、アルコールの分解したり、血行を良くする働きがあります。(※6)
④ビタミンD|カルシウムの吸収促進
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.9mg | 5.5mg | 16% |
ビタミンDには、小腸や腎臓でカルシウムの吸収をスムーズにする働きがあります。また、血液のカルシウム濃度を保ち、骨を頑丈にしてくれる働きがあります。その他にもイライラした気分を解消してくれる働きもあります。(※7)
⑤GABA
えのきには、ストレスを和らげるGABAが豊富に含まれています。副交感神経を活発にし、心を落ち着かせてくれるため、ストレスの軽減に役立つ成分とされています。リラックスした日々を過ごすようにするためにはえのきを食べる習慣をつけると良いでしょう。
えのきの栄養成分を逃さない調理法は?加熱NG?

栄養が豊富でダイエットにもオススメできるえのきですが、調理次第で栄養が失われてしまいます。えのきを栄養たっぷりのまま食べるための調理方法を紹介します。
①スープ・煮物にして汁ごと食べる
えのきに含まれているビタミンB1、B2は水溶性のため、ゆでたり、煮込んだりするとえのきの栄養は水に溶けて流れ出てしまいます。えのきの栄養をすべて食べるためにもスープや煮物に使う際は汁まで飲むと無駄なく食べることが出来ます。
②水で洗いすぎない
えのきは洗わなくても食べることはできますが、水洗いしてから調理する方もいるでしょう。しかし、えのきを洗いすぎてしまうと栄養も一緒に洗い流されてしまいます。さらに水分を吸って食感も悪くなりやすいので、洗いすぎないように注意しましょう。
(*えのきの洗い方などについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③冷凍してえのき氷にする
えのき氷とは、えのきをミキサーなどでペースト状にして凍らせたものです。えのき氷は下記の手順で作ることが出来ます。
1、えのきの石づきを切って、4等分程度にカットする
2、えのきと水をミキサーにかけてペースト状にする
3、鍋に移して、沸騰してから弱火にして1時間程度煮込む
4、粗熱を取って製氷皿に移して冷凍する
ミキサーにかけると、天日干しするとビタミンB2が増えます。ペースト状にして煮てから凍らせることでえのきの細胞壁を壊して、栄養分の吸収率を向上させます。そのため栄養を失わずに、より効率的に摂取することが出来ます。汁物や煮物に入れるだけでえのきの栄養を摂取することが出来るのでオススメです。
えのきの食べ方の注意点は?

お鍋やお味噌汁、ソテーなど食べる機会が多いえのきですが、実は食べ方には注意点があります。1日の摂取量とともに注意点をいくつか紹介します。
えのきを食べ過ぎない
きのこの1日の摂取適量は50~100グラムと言われています。スーパーなどで売っているえのきは1袋200グラム程度なので、1/4~1/2程度が1日の摂取量の目安になります。もし食べ過ぎてしまうと吐き気や腹痛などの体調不良になったり、便秘の原因になることもあります。えのきは不溶性食物繊維を多く含んでおり、多く摂取すると消化不良を起こしてしまいます。
えのきは低糖質、低カロリーなのでダイエットには最適な食材ですが、食べ過ぎは体調不良にもつながるので注意しましょう。
渡辺愛理
管理栄養士
知らずのうちに食べ過ぎてしまったということも。えのきに限らず、きのこ類の食べ過ぎには注意が必要です。
(*えのきの食べ過ぎについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
えのきを生で食べない
えのきに限らず、きのこ全体に言えることですが、きのこの持つ消化酵素や菌が、人体にアレルギー反応や食中毒症状を引き起こすと考えられています。そのため、新鮮であるか否かに限らず、えのき含めきのこの生食は避けるべきでしょう。
(*えのきの生食ができない原因について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
えのきの栄養がとれるレシピのおすすめ
えのきはシャキシャキとした食感を楽しめたり、ダイエットやガン予防に効果的な優秀な食材であるえのきの栄養そのままにおいしく食べるレシピを紹介します。
①きのこのチーズホイル焼き
バターやケチャップなど調味料を加えても良し、鮭や鶏肉などの食材を加えても良しのアレンジ自由な料理です。短時間でできるので、時間がない時にもおすすめです。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
②えのきの生姜スープ
食事に汁物は欠かせません。豆腐やネギ、生姜などの具材たっぷりで体が温まり、ほっと一息つくような栄養豊富なスープです。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
③えのきとベーコンのバターソテー
えのきとベーコンとバターの相性はバッチリです。えのき特有の食感も楽しむことが出来て、思わず箸が進むこと間違いなしです。副菜としても、お弁当用としても優秀な一品です。
↓詳しい作り方・手順はこちら↓
えのきは栄養豊富な食材
えのきは低カロリー、低糖質で栄養も豊富な食材です。食べすぎには注意ですが、適量を毎日摂取することで体を健康に保ってくれます。さらには美容にも良いとされているので、ぜひ色々なレシピで活用してみて下さい。