しいたけの栄養素と効能は?乾燥で倍増?成分を逃さない調理法・レシピも紹介!
【管理栄養士監修】しいたけに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、しいたけの栄養成分や効能効果に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。後半にはしいたけの旨みを活かし、栄養が取れるレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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しいたけはどんな食材?
しいたけは一年中手ごろな値段で購入できる手軽な食材なので、お世話になっている方が多いでしょう。そんなしいたけの旬と、カロリー、新鮮なしいたけの選び方紹介します。
しいたけの旬
しいたけは秋の味覚のイメージが強いですが、実はしいたけは秋だけではなく、春にも旬があります。春のしいたけは寒い冬を乗り越えてゆっくりと成長したため、一年の中で一番肉厚な時期です。一方秋のしいたけは香りが強く、焼き料理に向いています。
(*しいたけの旬の時期・季節について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
しいたけのカロリー・糖質量
しいたけは低カロリー低糖質の食材です。以下は100g当たりのカロリー・糖質量になります。
カロリー | 19kcal |
---|---|
糖質量 | 1.5g |
大きいしいたけは1本約30g程なので、1本あたり約5.7kcalです。このようにしいたけのカロリーと糖質が控えめなので、沢山食べても太りにくく、ダイエット効果が期待できます。体重が気になる方、カロリーや糖質を抑えたい方、妊娠中の体重管理で苦労している妊婦さんは、しいたけで食事のかさ増しをしてみてください。
新鮮なしいたけの選び方
新鮮で美味しいしいたけを選ぶ時のポイントを、4つ紹介します。
・厚みがあるもの
・軸が太く、短いもの
・かさの裏側の色が白っぽいもの
・かさの開き具合が6~8割のもの
選ぶ時はつい大きいもの選びがちですが、大きさではなく厚みがあるものを選ぶことがポイントです。ぜひ参考にしてください。
しいたけの栄養成分と効能は?
カロリー | 19kcal |
---|---|
水分 | 90.3g |
タンパク質 | 3.0g |
糖質 | 1.5g |
食物繊維 | 4.2g |
脂質 | 0.3g |
上記は、しいたけ100g当たりのカロリー・糖質量を記載した物です。栄養成分を5つ、それぞれの効能と共に紹介します。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①食物繊維|便秘解消
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
5.7g | 20g | 29% |
しいたけには食物繊維が100gあたり4.2g含まれており、これはレタスの約1.3個分相当になります。食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は、水に溶けやすく、小腸の調子を整える効能があり、不溶性食物繊維は水分を吸収し、便のかさ増しする効能があり、便秘解消に役立つため、妊婦さんにおすすめです。
便通が良くなることで、ダイエット効果も期待できることからも、多くの人に摂取してほしい栄養成分の一つです。(※2)
ふっちー
管理栄養士
妊婦さんは、ホルモンバランスの影響と腸の圧迫により、便秘になりがちです。しいたけなど、食物繊維が豊富な食材をしっかり摂りましょう!
②ビタミンD|カルシウムの吸収促進
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.4μg(乾しいたけは12.7㎍) | 5.5μg | 7%(乾しいたけは231%) |
乾しいたけには100gあたり12.7㎍含まれており、これは焼さんま1匹分相当です。ビタミンDにはカルシウムの吸収を高める効能があり、骨の形成にとって重要な栄養素といえます。
そして、ビタミンDだけ摂取してもカルシウムを同時に取らなければ効果がありません。しいたけを食べる際は、カルシウムが豊富な食材も摂取するように心がけてください。カルシウムは成長期の子供だけではなく、不足がちな妊婦さんにもしっかり摂取してほしい成分です。(※3)
ふっちー
管理栄養士
カルシウムを効率よく摂取するためには、ビタミンDの存在が欠かせません。ビタミンDが豊富な干ししいたけと、カルシウムが豊富な干しエビを一緒にスープや炊き込みご飯に入れても良いでしょう。
③ビタミンB1・B2|基礎代謝の向上
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
ビタミンB1 | 0.13μg | 1.4μg | 9% |
ビタミンB2 | 0.2μg | 1.6μg | 13% |
しいたけには、ビタミンB1・B2が多く含まれています。ビタミンB1は摂取した糖質をエネルギーに変化する時に活躍し、ビタミンB2は摂取した脂質をエネルギーにする時に活躍する栄養素です。どちらも摂取した糖質と脂質をエネルギーに変え、基礎代謝をアップさせる効果があります。
さらに、ビタミンB2は皮膚や粘膜の健康維持に欠かせないとても重要な栄養成分です。ビタミンB2が不足すると口内炎や肌荒れなどが起きやすくなる為、気になる方は積極的に摂取しましょう。(※4)(※5)
④レンチナン
レンチナンとは、しいたけ独自の香り成分です。体への効果は免疫力のアップ、ウイルス性の病気への抵抗力アップがあるといわれています。また、しいたけから抽出されたレイチナンは抗がん剤としても広く使われています。
このレンチナンはしいたけ採取後から徐々に減少していくため、しいたけは早めに食べるといいでしょう。また、レンチナンの含量は生も干しいたけも変わりません。
⑤エリタデニン
エリタデニンには、コレステロールを減らす作用、血液をサラサラにして血圧抑制する作用、血管のつまりの改善に効能があるという説もあります。エリタデニンが多く含まれているのはしいたけのかさの部分です。
しいたけの栄養成分を逃さない調理法・食べ方は?
しいたけは沢山の栄養が詰まっています。しかしその栄養素を余すことなく摂取するためには、調理法が大切となります。美味しく、栄養もバッチリ摂れるしいたけのおすすめ調理法を紹介します。
①汁物・スープで煮汁まで食べる
しいたけは水溶性の栄養素を多く含んでおり、味噌汁や煮物の場合は、煮汁に沢山の栄養素が溶け込んでしまいます。汁ごと頂けばしっかり栄養を摂取できるので、スープや煮汁は余すことなく飲み干すようにしましょう。
②水で洗いすぎない
しいたけには水溶性の栄養素が多いため、栄養素を漏れなく摂取するために基本的に洗わず濡れたふきんで拭いておきましょう。どうしても泥やゴミが気になる方は、軽く水で洗う程度にしましょう。
(*しいたけの正しい洗い方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③しいたけの軸(ヘタ)も食べる
しいたけの軸にもかさ同様に栄養があります。軸は出汁を摂ったり、きんぴらにしたり、細かく刻んで混ぜ込んだりと使えます。一番下の石づき(黒くて硬い部分)は硬くて食べれませんので、調理の際は切り落として使いましょう。
④干ししいたけの戻し汁も活用する
栄養満点の干ししいたけですが、水で戻す際に水溶性の栄養素は水に溶けてしまいます。そのため、戻す際の出汁は煮物や味噌汁などにそのまま使用しましょう。そばつゆ用のだしや、炊き込みご飯などにも使えます。
また、干ししいたけを水で戻す際は、冷蔵庫で戻した方が旨みが残ります。戻し時間は干ししいたけの種類によって異なりますが、長時間になると苦みが増すので、戻し時間は10時間を目安にすると良いでしょう。
ふっちー
管理栄養士
しいたけは栄養豊富なだけでなく、グアニル酸という旨味成分も含んでいます。干ししいたけの戻し汁は、栄養だけでなく、旨味もアップしてくれます。
しいたけの栄養・旨みを増幅させるには?
そのままでも栄養価の高いしいたけですが、さらに栄養をアップさせる方法があります。栄養だけなく、簡単に旨みも引き出すことが出来るので、併せて紹介します。
干し・乾燥しいたけにする
しいたけは生よりも乾燥の方が栄養価が高いです。それぞれの栄養価を比較してみましょう。
100gあたり | 生 | 乾燥 |
ビタミンD | 0.4㎍ | 12.7㎍ |
食物繊維 | 4.2g | 41.0g |
カリウム | 280mg | 2100g |
葉酸 | 44㎍ | 240㎍ |
ビタミンB2 | 0.2mg | 1.4mg |
特に妊婦さんが積極的に取りたい葉酸や、便秘解消の食物繊維、不足しがちなカルシウムの吸収を助けてくれるビタミンDなど、干すだけで栄養価が何倍にもなります。美容効果のビタミンB2も乾燥しいたけの方が豊富なので、妊婦さんに限らず、しいたけを食す際には傘を下にして天日干しをしてから調理するようにしましょう。
冷凍保存する
しいたけは冷凍保存すると酵素の働きによって香りと旨味が増します。買ったその日に食べる分以外は冷凍での保存がオススメです。保存方法は傘、軸、石づきと分け、水洗いせずに傘と軸は食べやすい大きさにカットし、ビニール袋などにいれて冷凍庫で保存します。保存期間は1ヵ月程を目安にしましょう。
(*しいたけの冷凍について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
しいたけの栄養がとれるレシピのおすすめ
しいたけは水に溶けやすい栄養が沢山あります。そんなしいたけの栄養を余すことなく、美味しく食べれるレシピを3つ紹介します。
①炊き込みご飯
各素材を切り、調味料と一緒に炊飯器へ入れれば簡単に出来る一品です。水に溶けやすい栄養素も、炊き込みご飯なら栄養をあますことなく全部いただけます。
②ホイル焼き
しいたけの栄養は蒸し調理でも漏れてしまうので、ホイル焼きにして閉じ込めてしまいましょう。味噌バター味でご飯が進む一品です。
③みそ汁
普段のみそ汁にしいたけを追加するだけでも栄養たっぷりの一品に仕上がります。具沢山で食べ応えも十分です。ダイエット中の方や、食べやすいもの探している妊婦さんにおすすめな一品です。
しいたけは栄養豊富な食材
しいたけはとにかく栄養豊富な食材です。ただし調理法一つで栄養が流れていってしまうので、調理の際はなるべく水で洗わない、出汁を使う、食べる前に天日干し、ぜひこの3つをきちんと守って食べるようにしましょう。特に妊婦さんは妊娠中に大切な葉酸、ビタミンDが多いので、積極的に食べるようにしましょう。