パイナップルの栄養素と効果・効能は?妊娠に影響ある?食べ過ぎなど注意点も紹介!
【管理栄養士監修】パイナップルに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、パイナップルの栄養成分・効能に加え、栄養が効率的に取れる食べ方を紹介します。妊婦は食べない方がいいという噂にも触れていきます。食べ過ぎの注意点やレシピのおすすめも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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パイナップルはどんな食材?
パイナップルは甘酸っぱい独特の味わいで、デザートから料理の具材まで幅広い食べ方ができる人気のフルーツです。そんなパイナップルの旬の時期や、美味しいものを選ぶポイントを紹介します。
パイナップルの旬
パイナップルは、日本国内で売られているもののほとんどが輸入品です。国産は沖縄と鹿児島でのみ栽培されており、4月〜8月頃に旬を迎えます。輸入品は一年中手に入りますが、5月頃が比較的多く流通するようです。
(*パイナップルの旬の時期について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
新鮮・美味しいパイナップルの選び方
外見から鮮度や味の良し悪しを見分けるには、どのような点に気をつけて選べばよいでしょう?
・葉が濃い緑色をしている
・葉先が枯れていない
・胴体の下部分が丸々している
・ずっしりと重い
・香りが良い
パイナップルは追熟しない果物なので、上記の特徴を参考にして、すでに熟しているものを選ぶのがよいでしょう。胴体が青味を帯びているパイナップルは熟していないものが多く、葉先が枯れているのは古いものが多いです。
(*パイナップルの食べ頃の見極め方や選び方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
パイナップルの栄養素と効果・効能
カロリー | 53kcal |
---|---|
水分 | 85.2g |
タンパク質 | 0.6g |
糖質 | 12.5g |
食物繊維 | 1.2g |
脂質 | 0.1g |
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
パイナップルにはどのような栄養があるのでしょうか?主な成分と、その効果や効能について見ていきましょう。
①ビタミンC|美肌・アンチエイジング効果
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
35mg | 100mg | 35% |
ビタミンCは抗酸化作用があり、老化の原因になる活性酸素を排除したり、減らす役割をしてくれます。老化の原因となる細胞の酸化防止に効果的なので、美肌効果やアンチエイジング効果が期待できます。(※2)
②ビタミンB1・B6|基礎代謝の向上
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
生いちじく | 0.09mg | 1.4mg | 6% |
ドライいちじく | 0.1mg | 1.2mg | 8% |
ビタミンB1には、疲労回復や集中力を高める効果があると言われています。これはビタミンB1が糖質を分解してくれる酵素の手助けをする役割があるからで、エネルギー基礎代謝の向上効果があります。
ビタミンB6はタンパク質や脂質の分解を助け、血液や筋肉を作るのに欠かせない成分です。ビタミンB1と同様に基礎代謝を向上させ、動脈硬化の予防や免疫力をアップさせるなどの効能が期待できます。(※3)(※4)
③食物繊維|便秘解消
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.2mg | 20mg | 6% |
パイナップルには水に溶けない不溶性食物繊維が多く、りんごの約1.5倍含まれています。不溶性食物繊維は、腸の働きを活発にさせて消化をよくさせる働きがあり水分を吸収することで便の量を増加させるので、排泄の促進につながります。便秘の解消や腸内環境を健康に保つのにとても効果的です。(※5)
④クエン酸|疲労回復
パイナップルには、疲労回復させる効能を持つクエン酸も含まれています。身体が疲労すると筋肉に溜まってしまう乳酸を分解してくれ、疲労を回復してくれます。パイナップルの酸味はこのクエン酸によるもので、熱中症や食中毒の予防にも効果的です。
渡辺愛理
管理栄養士
特に夏の時期にクエン酸を取る手軽な食材としておすすめです。
⑤果糖
甘み成分である果糖も含まれています。果糖は主に果物に含まれる成分です。ブドウ糖とは違い血糖値が急上昇しにくいので、比較的太りにくい糖分と言えます。カットしていない丸の状態のパイナップルは、葉の方を下にしておくと糖分が実の全体に行きわたるので、保持する時にはおすすめの方法です。
⑥ブロメライン
ブロメラインはパイナップル特有の成分です。生のパイナップルには肉などを柔らかくする効能がありますが、これはブロメラインがタンパク質をアミノ酸に分解する酵素であるからです。ただ、ブロメラインは熱に弱いため、加熱調理後や缶詰のパイナップルにはその効果は期待できません。
ブロメラインは胃腸の調子を整え、消化の促進や炎症を和らげる効果もあると言われています。食事の途中や食後に摂ることで、その効能の恩恵を存分に受られるのでおすすめです。
パイナップルを食べる際の注意点は?妊娠中は危険?
パイナップルは妊娠中には食べない方がいい、という噂がありますが、それは本当でしょうか?また、食べ過ぎによるデメリットはあるのでしょうか?
妊娠中は危険といった根拠はない
妊娠中は、パイナップルを食べるのはよくないという噂もあるようです。しかし、医学的な根拠があるわけではなく、適量であれば気にしなくていいようです。前述した栄養素は妊娠中にも最適なので、むしろ積極的に食べることをおすすめします。
パイナップルを食べ過ぎるデメリット
パイナップルは、他の果物よりも比較的カロリーや糖質は低めですが、やはり食べ過ぎると肥満の原因になります。また、食物繊維やブロメラインの効果により腸の働きが活発になるため、お腹がゆるくなってしまう可能性もあります。
パイナップルをはじめ、南国のフルーツは体を冷やす効能があると言われてるので、特に妊娠中は食べ過ぎには注意しましょう。
渡辺愛理
管理栄養士
妊娠中の方だけでなく、妊活中の方、冷え性の方の食べ過ぎは注意が必要です。
(*パイナップルの食べ過ぎによるデメリットや原因・防止策について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
パイナップルの栄養成分を逃さない食べ方は?
パイナップルに含まれる豊富な栄養成分を無駄なく摂取するためには、どんな食べ方がよいのでしょう?
①缶詰ではなく生で食べる
便利で美味しいパイナップルの缶詰ですが、生と比べると残念ながら栄養素は減ってしまいます。缶詰めは製造過程で加熱処理されているので、熱に弱いビタミンやブロメラインなどの効能が失われてしまうためです。パイナップルの栄養成分を逃さずに摂るには、缶詰よりも生で食べるのがよいでしょう。
②加熱せず生で食べる
ブロメラインなどの熱に弱い成分は、加熱するとその効果が失われてしまいます。パイナップルはケーキや酢豚などにもよく合いますが、より多くの栄養素を摂るのであれば、やはり加熱せずに生で食べるのが一番です。
③冷凍する
パイナップルは、加熱した時とは逆に冷凍すると栄養価が増すそうです。生や加熱したものに比べ、冷凍するとビタミンCや抗酸化物質など、多くの栄養素の含有量が高くなる研究結果が出ています。パイナップルに限ったことではなく、ほとんどのフルーツにおいて同様の効果があるそうです。
パイナップルの栄養がとれるレシピのおすすめ
パイナップルに含まれる豊富な栄養を、しっかりと逃さずに美味しく食べるおすすめのレシピを紹介します。
①パイナップルジュース
生のままミキサーにかけてジュースにすれば、簡単にパイナップルの栄養を余すことなく摂取できます。加える水や砂糖の量を調整すれば、甘味や濃度も自分好みに作れるので、ぜひ試してみてくださいね。
②冷凍パイナップルスープ
冷凍パイナップルを使って、おしゃれな冷製スープにするのもおすすめです。クリームチーズなど他の材料と一緒に混ぜるだけなので、簡単に作れます。そのうえに美味しくて、栄養価も高くて、さらにおしゃれという、欲張りな一品です。
③酢豚
酢豚にパイナップルを加えることで、特有の程よい酸味がアクセントになり、爽やかな後味が楽しめます。調理の最後に加えることで、できるだけ熱を加えないようにすれば、栄養を損なわずに仕上げることができます。
パイナップルは栄養豊富な食材
栄養が豊富であり、さまざまな効果・効能があるパイナップルを紹介しました。安価で一年中手に入りやすいのも嬉しいですね。ほどよい酸味で、妊娠中や食欲がない時でも食べやすいのも特徴です。食べ過ぎによるデメリットも理解した上で、適量で食べるようにしましょう。