サザエの栄養と効果・効能は?肝は体に悪いって本当?妊婦は食べていい?
【管理栄養士監修】サザエに含まれる栄養素を知っていますか?サザエは網焼きや刺身などで食べられることが多い海鮮です。今回は、サザエの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。レシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
β-カロテンの摂取目安量は定められていませんが人間の体内でビタミンAに変化するビタミンAの前駆体であることから、上記ではビタミンAの摂取目安量を表示しています。β-カロテンは強い抗酸化作用を持っているのが特徴です。癌や病気の原因ともいわれている活性酸素の発生を抑制したり、活性酸素そのものを取り除いたりする働きが期待できます。
これによって動脈硬化などの生活習慣病や老化現象も予防できるため、不足には注意したい成分の一つです。(※6)
⑤アルギニン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1600mg | 2000mg | 80% |
タンパク質を合成する20種類のアミノ酸のうちのひとつがアルギニンですが、人間の体内で糖質や脂質から生成することができるため非必須アミノ酸に分類されています。そのためアルギニンは厚生労働省での摂取目安量は正確に定められていませんが、アルギニンが効果的に働くためには1日に2000~4000mg以上の摂取が理想だと言われています。
アルギニンの効果・効能は成長ホルモンの分泌を活発にしたり、病気に対する免疫力を向上させたりすることです。上記の表のとおり、サザエ2個を食べるだけでアルギニンの1日の摂取目安量を超えるので、優れた健康への効能が期待できるでしょう。(※7)
⑥ビタミンE
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2.3mg | 6.5mg | 35% |
ビタミンEはさまざまな食品に含まれているので、1日の平均摂取量は目標値を超える人が大半です。ただし運動後は血中過酸化脂質の増加を抑えるために、ビタミンEを多く使用するため補給が大切であると言われています。また生活習慣などの乱れから引き起こされる体調不良にもビタミンEの効果・効能が期待されています。
ビタミンEを過剰摂取した場合は骨や血液凝固への影響が懸念されていますが、過剰摂取した量の3分の2は便として排泄されるので比較的体内に蓄積されにくいのが特徴です。食事で摂取する範囲での過剰症の心配はないので、サザエを食べ過ぎた時もあまり問題ないといえるでしょう。(※8)
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管理栄養士
ビタミンEは強い抗酸化作用を持つ脂溶性ビタミンです。体内の脂質の酸化を防ぎ、血管を健康に保つほか、血中のLDLコレステロールの酸化を抑制したり細胞の酸化を防ぐ効果もあるため、老化防止に関わるビタミンとも言われています。
サザエの肝は体に悪い?妊婦はNG?
サザエには魅力的な栄養成分が含まれ健康への効果・効能があることがわかりましたが、サザエの肝は体に悪くないのでしょうか。次はサザエの肝の体への影響や、妊婦の方の摂取について紹介します。
サザエの肝は重金属が蓄積しやすい部位ではある
サザエなどの貝類の肝は手足のしびれや頭痛、中毒症状や光過敏症などを引き起こす貝毒や、重金属が蓄積しやすい部位なので一般的な市販ルートでは貝毒検査を通過したものが取り扱われています。しかし、検査の対象になるのはプランクトンを餌とする二枚貝が対象のため、サザエは検査をされていないものが市場に出回っているのが現状です。
ただしサザエはホタテと違って流れの速い磯場に生息しているので、貝毒や重金属についてはそれほど気にする必要はないとも言われています。(※9)
妊婦の方は心配な場合は避けた方がよい
サザエに含まれるタウリンは胎児の脳の発育に必要な成分であることが発表されていますが、サザエの肝の部分については心配な人も多いでしょう。サザエ自体は妊娠中に食べても大きな問題を引き起こさない食品とされていますが、重金属などの懸念が全くないわけではないので、心配であれば避けたほうが良いと言えます。
妊娠中の人がサザエを食べるときは新鮮なものを選ぶようにして、しっかりと熱を通した状態になったことを確認してから食べてください。
(*サザエの肝は食べられるかについて詳しく知りたい方はこちらを読んでみてください。)
サザエの栄養がとれるレシピのおすすめ
肝の部分に若干の不安要素はありますが、サザエはタンパク質やタウリンなどの栄養価が高く美味しい貝なので上手に料理して食べたいものです。次はサザエの栄養がとれるおすすめのレシピを紹介します。