ホタテの食べ過ぎは危険?下痢・食中毒の原因に?1日の摂取量の目安まで紹介!
【管理栄養士監修】ホタテを食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?ホタテの低カロリーなヘルシーさからダイエットに使っている方は必見です。今回は、ホタテの食べ過ぎによる〈亜鉛・タウリン〉などの過剰摂取で起こる〈腹痛・下痢〉 など悪影響の例を紹介します。ホタテの食べ過ぎにならない1日の摂取量の目安や、適量食べた時の栄養価・効能も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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ホタテの食べ過ぎに注意?
お刺身で食べてもバターでソテーして食べても美味しいホタテですが、ホタテは食べ過ぎても体に影響はないのでしょうか。カロリーや糖質量なども気になるところです。今回は、ホタテに含まれる栄養素を知り、それが体にどんな影響を与えるかを詳しく見ていきましょう。
ホタテを食べ過ぎるとどうなる?
ホタテは旬の季節が夏と冬の2回あって手に入りやすく、栄養が豊富で色々な調理方法で美味しく食べられるため、家庭でも口にする機会が多い食品です。ここでは、ホタテの食べ過ぎによる悪影響や食べるときに気を付ける点について紹介します。
①亜鉛の過剰摂取
亜鉛の過剰摂取は健康に悪い影響があります。亜鉛サプリメントの不適切な利用や、日常的に高濃度の亜鉛を摂取することは、良性の前立腺肥大リスクを増加させる可能性があります。また、1日あたり100㎎の亜鉛サプリメントの毎日の摂取、または10年間以上の摂取は、前立腺がんリスクを増加させる可能性があるとの報告もあります5)。また、亜鉛の過剰摂取により、銅の吸収阻害による銅欠乏、吐き気、嘔吐腎障害、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症、HDLコレステロールの低下、低銅血症、下痢などのおそれがあります5)。
ホタテは亜鉛を多く含みますが、亜鉛は人の体の中で300種以上の酵素の働きに関わります。そのため、亜鉛が不足すると全身に様々な悪影響を与えますが、逆に過剰摂取になると以下のような症状が出る事があります。
・下痢
・嘔吐
・食欲不振
・頭痛
亜鉛の過剰摂取により、急性または慢性で腹痛や下痢などの症状があらわれる事があります。その他にも亜鉛は銅や鉄の吸収を妨げ、貧血や神経障害などの症状を引き起こす可能性があるため食べ過ぎには十分な注意が必要です。(※1)
②貝毒よる食中毒
ホタテの貝と貝柱のつなぎ目部分にある黒色の部位をウロと呼びますが、このウロに貝毒が潜んでいる可能性があり気をつける必要があります。ホタテの貝毒の種類は、以下の2つです。
・麻痺性
・下痢性
貝毒によって麻痺性の食中毒を発症した場合、全身に痺れの症状が出て適切な処置を行わないと死に至る場合があるため十分な注意が必要です。下痢性の貝毒の主な症状は、激しい下痢・嘔吐・吐き気・腹痛ですが発熱はなく、通常は3日程度で回復します。
貝毒は、熱に強く加熱しても無毒になることはないため、あらかじめウロを適切に取り除くことが重要です。一般的に市販されているホタテはしっかり検査されていて、基準値以上の有害物質を含むホタテは販売されていません。しかし、釣りや潮干狩りで採れたホタテを家庭で調理する場合は、ウロをしっかりと取り除くようにしましょう。(※2)
(*ホタテのウロは食べられるかについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③タウリンの過剰摂取は問題ないとされている
ホタテにはタウリンという栄養素も豊富に含まれますが、大きいホタテであれば1個食べただけで人が一日に推奨されているタウリンの摂取量を超えてしまうことがあります。ただし、タウリンに関しては過剰に摂取しても体内に残らずに尿から排出されるため、問題ありません。(※3)
④ホタテの食べ過ぎだけで太る可能性は低い
ホタテはタンパク質の含有量が多く脂質が少ないという特徴があります。ホタテのカロリーは貝類の中ではやや高いですが、食品全体で見ると低いと言えるでしょう。例えばダイエット食材として人気の高い鶏のささみよりも低カロリーのため、仮にホタテを食べ過ぎたとしてもそれで太る可能性は低いです。
(*ホタテのカロリー・糖質量について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
中村ふみ
管理栄養士
低脂質で良質なタンパク質が摂れるホタテはダイエットにとても適しています。グリルやオーブンで焼いて調理すると香ばしく、ダイエット中のシンプルな味付けでも美味しくいただけます。