オクラの食べ過ぎは体に悪い?下痢の原因に?1日の摂取量の目安を紹介!
【管理栄養士監修】オクラを食べ過ぎてしまうとどうなるか知っていますか?どの程度の量なら食べ過ぎにならないのでしょうか。今回は、<下痢・吐き気>などオクラを食べ過ぎた時の症状や、1日の適量を紹介します。オクラの栄養効果も紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
成人女性の食物繊維の摂取量の目安は成人男性よりも3g少ないため、1日におけるオクラの適量も36本までになります。オクラ以外の食材から食物繊維を摂取する場合は、オクラを食べる量を1日に15本までにすると食物繊維の摂り過ぎを防ぐことができるでしょう。
女性は、筋肉量が少ないうえにホルモンバランスの影響を受けて便秘になりやすいと言われています。オクラを食べ過ぎると便が硬くなって便秘が悪化する恐れがあるので、便秘の解消を目的としてオクラを食べる際には食べ過ぎないように注意してください。
河野絢子
管理栄養士
特に女性は「黄体期」といわれる、いわゆる生理前1~2週間の時期に特に便秘症状を引き起こしやすいので、オクラの取りすぎに限らず、水分摂取量をいつもより増やすことを意識して過ごしましょう。
③子どもの場合:約16本
オクラ1本(10g)あたり | 含有量 | 1日の摂取量の目安 |
食物繊維 | 0.5g | 8g |
葉酸 | 11μg | 100μg |
ビタミンK | 7μg | 70μg |
β-カロテン | 67μg | 500μg |
カリウム | 26mg | 1000mg |
上記の表は、1日における3歳から5歳の男の子の摂取量の目安を記載したものです。子どもの食物繊維の適量から計算すると、オクラは16本まで食べることができます。ただし、成人と同様に他の食事との栄養バランスを考慮すると、この量よりも少なめに食べさせたほうが良いでしょう。
また、子供は間食などに冷えたジュースやアイスを食べ過ぎて下痢を発症するケースがあります。子供に下痢をしているときにオクラを与えると症状を悪化させる可能性があるので、このような場合は子供にオクラを食べさせないようにしてください。
河野絢子
管理栄養士
まだオクラを食べたことがない赤ちゃんなどはオクラの毛やねばねばにより、アレルギー症状を引き起こす可能性もあります。最初に与える前には板ずりをしっかりと行い、表面の毛をなるべく落としてから与えましょう。
オクラを適量食べた時の栄養成分と効能は?
オクラは食べ過ぎると体に悪いですが、適量を食べると様々な健康効果が得られます。オクラに含まれる栄養素とその効能について解説します。
①便秘の解消効果
オクラがもつ水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2つの食物繊維の働きによって、便秘の解消効果が期待できます。オクラのネバネバとした食感の元であるペクチンと呼ばれる水溶性食物繊維は、腸内で水分を吸収して便を柔らかくする働きがある栄養素です。また、オクラに含まれる不溶性食物繊維は便の量を増やして腸の動きを活発化させ、排便を促す作用があります。(※3)
②美肌効果
肌のトラブルは腸内環境の悪化が一つの原因になりますが、オクラに含まれる食物繊維によって体内の老廃物が便として排出されると、肌荒れや吹き出物ができにくくなります。
また、オクラに含有されるビタミンB群は肌の代謝を活性化して肌の生まれ変わりを促し、肌荒れの予防や改善に効果を発揮します。さらに、オクラのネバネバの元であるムチンは肌細胞の水分を保持してみずみずしい肌に保つ作用があるため、こういった成分の相乗効果で美肌効果が期待できるのです。
③腸内環境を改善する効果
人間の腸内には善玉菌、悪玉菌、日和菌の3種類の細菌が存在し、腸内の善玉菌が増えると腸内環境が整い便通が促進されます。オクラに含まれる水溶性食物繊維の一種であるペクチンはこの善玉菌の栄養源となり、善玉菌を増殖させて腸内環境を改善する働きがあります。
④血行を改善する
オクラのネバネバの元になるムチンは腸内の老廃物を吸着して排出し、血行を改善する働きがあります。ムチンによって血行が良くなると、脳梗塞や動脈硬化、心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果も期待できます。また、冷え性も血行の悪さが原因になるので、体の冷えが気になる人にもオクラはおすすめの食材と言えるでしょう。
(*オクラの栄養と効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)