柿の栄養素と効能は?葉・皮にも豊富?食べ方のコツや食べ過ぎの注意点も紹介!
【管理栄養士監修】柿に含まれる栄養素を知っていますか?きれいに色づいた柿は、秋の実りの豊かさを感じさせてくれますね。今回は、柿の栄養成分・効能に加え、栄養素が効率的に摂れる調理法・食べ方を紹介します。食べ過ぎなど注意点も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
②βカロテン:免疫力の向上・風邪防止
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
柿 | 160μg | - | - |
渋柿 | 100μg | - | - |
柿に含まれるβカロテンは抗酸化力が非常に高く、体内で必要に応じてビタミンAとして働きます。目の機能を維持や皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫を上げ抵抗力を高める効能があり、風邪予防にも効果的です。また皮膚がんのリスクを低下させるともいわれています。
不足すると、暗いところで見えにくくなったり、角膜などが乾燥して角質化したり、皮膚や他の粘膜でも角質化が起こります。(※3)
伊藤祥子
管理栄養士
柿に含まれるビタミンCは、みかんなどの柑橘類の約2倍もあります。βカロテンも豊富に含まれる上、甘みもしっかりあるため食べやすく、おいしく手軽にビタミン補給ができます。
③食物繊維:便秘解消
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
柿 | 1.6g | 20g | 8% |
渋柿 | 2.8g | 20g | 14% |
食物繊維も柿には含まれ、ダイエットや便秘予防・解消に効果を発揮します。食物繊維は腸内のビフィズス菌など有効微生物を活性化し、腸内の蠕動運動を活発にして便通を促します。腸内の有害物質を吸着して体外に排出するので、便秘の予防・解消に効果的に働きます。ダイエット時のデトックスや便秘になりがちな妊婦さんには必要な成分ですね。(※4)
④カリウム:むくみ解消
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
柿 | 170mg | 2500mg | 7% |
渋柿 | 200mg | 2500mg | 8% |
柿に含まれるカリウムは、体内の余分な水分や老廃物をを排出し腎臓でのナトリウムの吸収をコントロールする効能があります。ダイエット中やむくみ易くなる妊婦さんには、むくみの解消に摂ってもらいたい栄養です。カリウムが不足すると、やる気が無くなったり、食欲不振になり、ひどくなると筋無力症や不整脈を起こす場合もあります。(※5)
⑤鉄分:貧血予防
含有量(100g) | 1日の必要な摂取量 | 1日の摂取量に占める割合 | |
柿 | 0.2mg | 7mg | 3% |
渋柿 | 0.1mg | 7mg | 1% |
柿に含まれる鉄分は、血液中のヘモグロビンとして酸素を体中に運びます。不足すると貧血になるため、予防の為にはたんぱく質やビタミンB12,葉酸なども取る必要があります。妊婦さんは妊娠期に応じて必要量が変わるので注意しましょう。妊娠初期はプラス2.5㎎、中・後期はプラス9.5㎎、授乳期はプラス2.5㎎多くとることを勧められます。(※6)
⑥タンニン:二日酔い防止
柿に含まれるタンニンはポリフェノールの仲間の渋み成分です。抗酸化作用があり、二日酔いの原因の一つで、体内でアルコールが酸化したアセトアルデヒドを体外に排出したり、悪臭を取り除く効果があります。柿に含まれるビタミンCは肝機能を活性化するため、カリウムの利尿作用と共に二日酔いの予防に効果的です。
タンニンの持つ収れん作用は美容のための化粧品や、キレート作用は、放射性物質の吸着除去など有効利用を期待される成分です。(※7)
柿の栄養成分を逃さない食べ方・調理法は?
柿に含まれる栄養分を、ムダにせず摂るにはどうしたらよいでしょう。
①柿の皮・葉も活用する
柿の皮や葉には、実よりも多く含まれる成分があります。皮にはカリウムやタンニンが、葉にはミカンの30倍とも言われるビタミンCが含まれています。柿の栄養をもれなく摂るなら、柿の実は皮ごと食べて、若い柿の葉もお茶にしたり、天ぷらにすると良いですね。