じゃがいもの食べ過ぎは不健康?病気・腹痛の原因に?1日の適量は何個なのかも解説!
【管理栄養士監修】じゃがいもを食べ過ぎるとどうなるか知っていますか?今回は、じゃがいもの食べ過ぎによる〈腹痛・病気・太る〉 など悪影響の例を原因とともに紹介します。じゃがいもの食べ過ぎになる量の目安や、適量を食べた場合の栄養価と効能も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
①太る
カロリー | 糖質 | 脂質 | |
じゃがいも | 76kcal | 16.3g | 0.1g |
フライドポテト | 237kcal | 29.3g | 10.6g |
ポテトチップス | 554kcal | 50.5g | 35.2g |
じゃがいもを茹でる、蒸すだけの調理なら大量に食べることは少ないとは思いますが、フライドポテトやポテトチップスは、つい手が伸びてしまいます。非常に高カロリーで脂質も多く含まれており、少しの量でも高カロリーになります。また、少量ではお腹が満たされずに食べ過ぎるため、太る原因になるでしょう。(※5、6)
②高血圧になる
じゃがいもは、様々な料理に使える為、食卓に登場する機会も多いです。しかし、アメリカでの研究でじゃがいもを週に4回以上食べている女性は、月に1回食べている場合よりも高血圧の発症リスクが11%上昇することが分かりました。
じゃがいもを食べると血糖値が急激に上がるので、膵臓からインスリンが多量に分泌されます。インスリンは血糖値を下げるだけでなく、腎臓からのナトリウム排泄を抑制する働きをもつため、分泌量が多いほど血圧が上がりやすくなります。食後の高血糖は、高血圧のリスクも高めるので注意しましょう。(※7)
③糖尿病になりやすくなる
糖質をとりすぎると、血液中のブドウ糖が過剰に増えるため食後高血糖の状態になります。食後高血糖は様々な健康リスクがあり、米国の研究ではじゃがいもを習慣的に多く食べる人ほど、2型糖尿病リスクが高いことが証明されています。さらに、フライドポテトの食べ過ぎは、体重や生活習慣にかかわらず、糖尿病発症率が高くなるデータもあるようです。
生活習慣病の発症リスクを抑えるためにも、適量を意識して食べるようにしましょう。
④毒素摂取による腹痛・嘔吐
じゃがいもの芽の部分や緑色になった部位には、ソラニンという毒素があります。この成分を多く摂取してしまうと、吐き気や下痢、おう吐、腹痛、頭痛、めまいなどの症状がでることがあります。このような症状がでた場合は、病院で診てもらう様にしましょう。
ソラニンは、過熱をしても分解されないので注意が必要です。じゃがいもの調理時には、必ず芽をすべて取り除くようにしましょう。
竹本友里恵
管理栄養士
じゃがいもの芽や皮の緑色になった部分は、天然毒素であるソラニンやチャコニンが含まれているので取り除く必要があります。これらの毒素は光が当たることで生成され、茹でても分解されず、170℃以上の油で揚げると量が減る場合はありますが、アクリルアミドという発がん性のある有毒物質を生成する場合があります。毎年、小学校やご家庭で、ソラニンやチャコニンによる食中毒が発生しているので注意が必要です。発芽している場合は完全に取り除き、皮が緑色になっている物は、皮を厚く剥いて調理するか、水に弱い性質があるので水にさらして毒素がを排出する様にしましょう。
(*じゃがいもの皮と芽の毒性について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
じゃがいもの食べ過ぎにならない適正量は?
これまでは、じゃがいもの食べ過ぎによる危険性を説明してきましたが、どのくらいの量であれば大丈夫なのでしょうか。
1日につき中1個(100g)が目安
厚生労働省が推奨している摂取量では、1日に必要な野菜は350gと推奨しています。内訳は、淡色野菜230g、緑黄色野菜120gです。
じゃがいもは、このどちらでもない芋類に分類されますが、推奨値を目標にするのであれば100gを目安にして、他の野菜で調整するのがおすすめです。健康に良い野菜でも、食べ方を間違えると栄養不足となるので、正しい摂取量を意識しましょう。(※8)