バターのカロリー・糖質は高い?太る?マーガリンと比較や使い分け方も紹介!
【管理栄養士監修】バターのカロリー・糖質量を知っていますか?今回は、バター(100g・10g・大さじ)のカロリー・糖質量をマーガリンなどと比較しながら紹介します。バター・マーガリンの違い・使い分けにくわえ、カロリーオフ・カットする方法なども紹介するので、参考にしてくださいね。
目次
- バターのカロリー・糖質量は?【写真】
- バター(100g)のカロリー・糖質量
- バターのカロリー・糖質量をマーガリンなどと比較
- バターとマーガリンの栄養面の違いは?
- バターは乳脂肪分が主成分
- マーガリンは食用油脂から作られる
- バター・マーガリンの脂肪分やコレステロールは高い?太る?
- パン一枚に使う程度であれば問題ない
- 食べ過ぎには要注意
- バターとマーガリンはどちらがおすすめ?
- ダイエット・健康面ではバター
- 保存・値段など使い勝手のよさではマーガリン
- バターをカロリーオフする方法はある?
- カロリーオフのバターは存在しない
- バターのカロリーオフ・カット系の商品5選!
- ①カロリー50%オフの雪印カロリーハーフ
- ②脂肪分70%オフの明治オフスタイルべに花
- ③カロリー1/2の明治エクストラバージンオリーブソフト
- ④カロリー50%オフの雪印キャノーラハーフ
- ⑤カロリー25%カットの雪印ソフト&バター
- バターのヘルシーなダイエット向きレシピは?
- ①あさりバターピリ辛味(106kcal)
- ②ラム肉のバター醤油炒め(407kcal)
- ③すずきのアーモンドバターソース(211kcal)
- バターはヘルシーな食材
バターのカロリー・糖質量は?【写真】

バターは油の塊と思っている人は多いですが、実際のカロリーや糖質量を他のスプレッド類と、どのくらい違うのか比較してみました。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています
バター(100g)のカロリー・糖質量
バターのカロリー・糖質量を見てみましょう。
カロリー | 糖質 | 炭水化物 | タンパク質 | 脂質 | |
バター(100g) | 745kcal | 0.2g | 0.2g | 0.6g | 81g |
バター(10g) | 74.5kcal | 0.02g | 0.02g | 0.06g | 8.1g |
バター(大さじ1杯:12g) | 89.4kcal | 0.024g | 0.024g | 0.072g | 9.72g |
バター(小さじ1杯:4g) | 29.8kcal | 0.008g | 0.008g | 0.024g | 3.24g |
バター100gあたりのカロリーは745kcal、脂質81gで植物食用油に比べれば低いですが、牛の脂身とほぼ同じくらいです。10g当たりになると74.5kcal・脂質8.1gとなりカロリー的にはリンゴジャム大さじで軽く2杯程度です。100g当たりでも糖質は0.2g・炭水化物0.2g・タンパク質0.6gとは低い値で、10gでは糖質・炭水化物量はゼロに等しいですね。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
バターのカロリー・糖質量をマーガリンなどと比較
バターと他のスプレッド類の100gあたりのカロリーや糖質量を比べてみましょう。
カロリー | 糖質 | 脂質 | タンパク質 | |
マーガリン | 769kcal | 0.5g | 83.1g | 0.4g |
バター | 745kcal | 0.2g | 81g | 0.6g |
ピーナッツバター | 636kcal | 17.3g | 50.4g | 20.6g |
生クリーム | 430kcal | 12.9g | 40.7g | 1.8g |
マーガリンをバターと比較すると、バターの方が、カロリーだけでなく糖質も半分以下と低く、脂質も若干低く、タンパク質はバターの方が多いようです。また、ピーナッツバターは、カロリーはバターより少ないですが、糖分が含まれるので糖質量は一番高いですね。
一方、生クリーム(ホイッップクリーム)の値は、バターと比べ、カロリー・脂質は低いですが、糖質やタンパク質は多いことがわかります。
バターとマーガリンの栄養面の違いは?

バターとマーガリンは栄養的には何が違うのでしょう。
バターは乳脂肪分が主成分
バターの原料は牛乳で、原乳から乳脂肪分だけを取り出して使うため、風味がよく料理を引き立てます。バターの成分は乳脂肪分が8割以上を占め、牛乳に含まれる成分を引き継いでいるので、乳製品にしか含まれない脂肪酸を豊富に含んでいます。糖質とタンパク質はごくわずかですが、糖質とたんぱく質のおかげで焦がしバターの香ばしさができるのです。
また、マーガリンには無いビタミン類が含まれ、特にビタミンAは、1日の摂取目安の50%以上にあたる500㎍と豊富です。
マーガリンは食用油脂から作られる
マーガリンの脂質は脂肪分100%の大豆やコーン、ヤシ油など植物油を原料に魚や豚など動物性油脂に、牛乳を加工した粉乳や発酵乳・ビタミン類を加えた水を添加し、乳化剤で乳化させて作ります。その後、水素添加などで固める過程で、トランス脂肪酸が作られてしまいます。
トランス脂肪酸は摂り過ぎると、生活習慣病や肥満の原因となるので、健康面に気を使う場合、バターの方がおすすめです。
バター・マーガリンの脂肪分やコレステロールは高い?太る?

バターもマーガリンも80%以上が乳脂肪など脂質ですが、コレステロールなど身体に影響はないのでしょうか。
パン一枚に使う程度であれば問題ない
料理の風味づけに使うなら10g前後、食事のパンに塗るなら8~10g程度で、バターのカロリーとしては60~75kcalほど、マーガリンなら65~77kcalくらいで、スライスチーズ1枚分のカロリーと大差なく、カロリー的には問題なさそうです。糖質量もバター、マーガリン共に少ないので問題ないでしょう。
これに対してトランス脂肪酸の量はバター10gだと190㎎、マーガリンだと800㎎になります。トランス脂肪酸の摂取上限量が2000㎎なので、他の食品から取り込まれる量を考えると、バターの方が安全ですね。
食べ過ぎには要注意
バターを食べ過ぎたときの問題点をあげてみましょう。
・太りやすい
・心臓疾患・動脈硬化のリスクが高まる
・アレルギー症状
・吐き気、腹痛など
バターは成分の半分が飽和脂肪酸で、人体には必要な成分ですが、バターを摂りすぎるとカロリー量が増加するだけでなく、飽和脂肪酸の増え過ぎで中性脂肪とコレステロール値も上昇します。それに加え、バターやマーガリンにはトランス脂肪酸も含まれるため、結果的に太りやすく心臓疾患や動脈硬化になりやすくなります。
特に、マーガリンのトランス脂肪酸はバターの4倍で、糖質の多い食材と一緒に摂るのと生活習慣病のリスクが高くなるので、要注意です。
いしいひとみ
管理栄養士
バターの体内での吸収率は97〜99%と食用油の中では高い吸収率です。 そのため、食べ過ぎには注意ですが、効率よくエネルギーを摂取したい際にはバターを用いて料理に活用しましょう! また、バターに含まれる栄養素は加熱しても壊れにくいと言われているため様々な調理法で用いることができます✧︎*。
バターとマーガリンはどちらがおすすめ?

バターとマーガリン、どちらも一長一短ありそうです。どちらを食べたらよいのでしょう。
ダイエット・健康面ではバター
牛乳から作られるバターには目や粘膜の健康に効果的なビタミンAや血行を良くするビタミンEが非常に豊富で、どちらも抗酸化力が高く老化防止効果があります。ビタミンDも多く、カルシウムの吸収を助け、牛乳特有の脂肪酸は腸内環境を整えてくれます。そしてバターの糖質はマーガリンの半分という点も見逃せません。
マーガリンには添加物やトランス脂肪酸が多く、生活習慣病のリスクが高いため、美容・ダイエットなど健康面からみると、低糖質でトランス脂肪酸の量が少ないバターの方が良さそうです。
保存・値段など使い勝手のよさではマーガリン
牛乳由来のバターは原料が純粋な分、マーガリンより値が高く冷蔵保管すると硬くなり、使いづらい一面もあります。一方でマーガリンは値段も手ごろで冷蔵庫でも硬くならず、常温でも30℃くらいまでなら液化しないため、扱いやすいところがメリットです。
保存期間もバターが未開封で5~6か月であるのに対して、マーガリンは6~10か月、また開封後はバターは2週間、マーガリンは1か月と酸化の速さが違います。使い勝手の良さではマーガリンに軍配が上がりますね。
バターをカロリーオフする方法はある?

バターは美味しいですが、カロリーが高いのが気になります。カロリーオフできるのでしょうか。
カロリーオフのバターは存在しない
バターというのは、乳脂肪分80%以上という規格があるので、カロリーオフができません。カロリーオフとうたっているものは、ファットスプレッドと呼ばれるマーガリンの仲間です。マーガリンが食用油脂80%以上のものであるのに対して、80%未満のものがファットスプレッドと呼ばれ、添加物でカロリーを調整します。
バターのカロリーオフ・カット系の商品5選!

カロリー | 糖質 | 脂質 | |
バター | 74.5kcal | 0.02g | 8.1g |
①カロリー50%オフの雪印カロリーハーフ | 36kcal | 0g | 3.9g |
②脂肪分70%オフの明治オフスタイルべに花 | 27kcal | 0.1g | 2.3g |
③カロリー1/2の明治エクストラバージンオリーブソフト | 35kcal | 0g | 3.8g |
④カロリー50%オフの雪印キャノーラハーフ | 36kcal | 0g | 3.9g |
⑤カロリー25%カットの雪印ソフト&バター | 55kcal | 0g | 6.1g |
マーガリン類は原料の植物油の精製時とマーガリン類を作る時、合計2回トランス脂肪酸を生成する工程があります。以下の商品は、原料にトランス脂肪酸を作らない油を使用しています。
①カロリー50%オフの雪印カロリーハーフ
カロリーは従来のマーガリンの1/2の369kcalでコレステロールゼロのファットスプレッドです。
②脂肪分70%オフの明治オフスタイルべに花
カロリーを70%カットして27kcalにして、べに花オイルのオレイン酸を50%加えてあります。オレイン酸にはコレステロールを下げる作用があります。
③カロリー1/2の明治エクストラバージンオリーブソフト
カロリーが35kcalという、原料の植物油はシチリア産のバージンオリーブオイル100%のファットスプレッドです。オレイン酸を70%以上含み、ポリフェノールもあります。
④カロリー50%オフの雪印キャノーラハーフ
カロリー36kcal、コレステロールは0でオレイン酸を50%加えたファットスプレッドです。体内のコレステロールを下げる効果が期待できます。
⑤カロリー25%カットの雪印ソフト&バター
バターが入ったスプレッドの中では最もカロリーが低く、しかもバターが50%も含まれています。バターの含有量が多いという事は、トランス脂肪酸に変化する油も減るという事です。
いしいひとみ
管理栄養士
ダイエット中でもバターを食べたい! そんなときは脂質の分解をサポートしてくれるビタミンB2を含む食品を一緒に摂りましょう♪ ビタミンB2は、ほうれん草、小松菜やブロッコリーなどの野菜類や卵、牛乳などに多く含まれます。また、脂肪燃焼を促進してくれるL-カルニチンを含む牛肉やラム肉と組み合わせることもおすすめです(*˙꒳˙*)!
バターのヘルシーなダイエット向きレシピは?
①あさりバターピリ辛味(106kcal)
あさりの豊富な栄養素をタンパク質と相性の良いガーリックバター味で整え、唐辛子を加えてレモンを絞る、簡単で栄養倍増のレシピです。
②ラム肉のバター醤油炒め(407kcal)
ラム肉にはタンパク質が豊富に含まれ、脂肪の代謝に重要なL-カルニチンという成分が脂肪の燃焼をサポートしてくれます。バターと醤油と山椒の組み合わせは食欲が増しますね。
③すずきのアーモンドバターソース(211kcal)
スズキには脳細胞を活性化するDHAや血流を良くするEPAが豊富に含まれ、魚の良質なタンパク質もあります。アーモンドはミネラルと食物繊維を含み、バターソースが料理の味をまとめてくれます。
バターはヘルシーな食材
バターは乳脂肪分のかたまりですが、不必要な添加物の入っていないヘルシーな食材です。少し加えるだけで料理の味が引き立つので、摂り過ぎないよう適量を食生活を豊かにするために使いましょうね。