こんにゃくの栄養素と効能は?ダイエット効果や食べ過ぎの注意点など紹介!
【管理栄養士監修】こんにゃくに含まれる栄養素を知っていますか?こんにゃくは何からできているのでしょうか?今回は、〈グルコマンナン・食物繊維〉などこんにゃくの栄養成分・効能に加え、ダイエット向きと言われる理由も紹介します。おすすめレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
こんにゃくはどんな食材?

炒め物や煮物など、様々な料理に使えるこんにゃくは、低カロリーでダイエットに最適なイメージがありますが、果たして何からできていて、どんな成分が含まれているか知っていますか?こんにゃくの原料やその特徴を紹介します。
こんにゃくの原料は「こんにゃくいも」
スーパーなどではあまり見かけることのないこんにゃくいもですが、このこんにゃくいもを加工したものがコンニャクです。こんにゃくいもの特徴を紹介します。
・サトイモ科の根茎
・収穫まで2~3年かかる
・旬は秋から冬にかけて
コンニャクイモにはシュウ酸カルシウムという劇物が含まれているためそのまま食べてはいけません。食べるためにはしっかりとアク抜きすることが必要です。
(*こんにゃくいもの毒性など詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
こんにゃくの栄養素と効果・効能

カロリー | 7kcal |
---|---|
水分 | 96.2g |
糖質 | 0.3g |
食物繊維 | 3g |
タンパク質 | 0.1g |
脂質 | 0.1g |
こんにゃくは100g中カロリー7kcal、糖質0.3g、脂質0.1gとかなり低カロリー・低糖質・低脂質な食品です。そのため、ダイエット中の方や、糖質制限中の方には特におすすめの食品といえます。
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
①食物繊維(コンニャクマンナン)
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
3g | 20g | 15% |
こんにゃくに含まれる食物繊維は、100g中3gで1日の摂取量に占める割合が15%と、食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は、胃腸の調子を整えたり、老廃物を便として体外に排泄する役割があります。そのため、こんにゃくは昔から「お腹の砂おろし」、「胃のほうき」などと言われてきました。(※2)
②カルシウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
68mg | 750mg | 10% |
こんにゃくにカルシウムが含まれているのが、意外だと思った方も多いでしょう。カルシウムは、骨や歯を作るのに重要な栄養素のため、全世代共通で積極的に摂りたい栄養素です。カルシウムは他の栄養素と比べ、体に吸収する割合が低いです。そのため、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを豊富に含む、きのこ類や卵などと一緒に食べるのがおすすめです。(※3)
熊橋麻実
管理栄養士
カルシウムは他にも神経刺激が正常に伝達されるよう保つ働きや血液凝固、酵素の活性化などの働きをしています。このため、不足するとイライラや神経過敏などが出ることもあります。
こんにゃくがダイエット向きと言われる理由は?

こんにゃくには様々な成分が含まれており、低カロリーなのは分かりましたが、他にもダイエットに向いているといわれる理由はあるのでしょうか?いくつかその理由を紹介します。
①低カロリーで腹持ちが良い
こんにゃくは100gで7kcalと食品の中でも、かなり低カロリーなほうだと言えるでしょう。また、食物繊維を多く含むため消化に時間がかかり、胃にとどまる時間が長くなるので腹持ちが良いです。こんにゃく100g中に96.2gも水分が含まれているため、保水性に優れています。そのため、胃の中でさらに水分を含み膨張し、満腹中枢を刺激し食べすぎを防ぎます。
②整腸・便秘解消の効果がある
こんにゃく100gには食物繊維3g含まれており、1日の摂取量に占める割合の15%も摂ることができます。食物繊維は、胃をきれいにする効果や、便秘解消の効果があります。食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。
水溶性食物繊維は、便の保水性を高め、老廃物と一緒に体外に便として排出させます。不溶性食物は、便のかさを増し、腸の蠕動運動を促進します。こんにゃくには、不溶生食物繊維が含まれているため、便秘の方におすすめです。
③血糖値の上昇を抑える
食後、血糖値が急激に上がると血糖値を下げる働きをするインスリンが大量に放出されます。このインスリンは、中性脂肪として体に脂肪をため込もうとするため、体重の増加に繋がります。こんにゃくに含まれる食物繊維は、血糖値の上昇を緩やかにするため、インスリン過剰放出を防ぎ、肥満防止につながります。
(*こんにゃくのダイエット効果について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
こんにゃくを食べる際の注意点は?

低カロリー・低糖質・低脂質でダイエットに役立つ栄養素が豊富に含まれているこんにゃくですが、大量に食べればいいというわけではありません。どの食品にも言えることですが、こんにゃくも食べすぎてしまうと弊害があるので注意しましょう。
食べ過ぎると腸閉塞の可能性もある
こんにゃくに含まれるグルコマンナンには、便秘解消などの様々な効能がありましたが、消化が悪いため摂りすぎると逆に腸が詰まってしまいます。悪化すると腸閉塞という病気にも繋がりますので食べすぎには注意が必要です。
グルコマンナンの量から考えると、こんにゃくの1日適正摂取量は約250gです。置き換えダイエットなどで、大量にこんにゃくだけを食べるのは、ダイエット中でも控えましょう。
熊橋麻実
管理栄養士
こんにゃくはアク抜きをして食べます。原料のこんにゃく芋が持っているえぐみや臭み成分、製造工程で使われる凝固剤などの生臭さをとるためです。茹でる方法が一般的です。
(*こんにゃくの食べ過ぎについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
こんにゃくの栄養がとれるレシピのおすすめ
こんにゃくは低カロリーですが、ダイエットに良い栄養はたっぷりと含まれています。減量中や糖質制限中は、特に積極的に摂りたい食品です。栄養を逃さずにこんにゃくを食べられるレシピを紹介します。
①こんにゃくの甘辛煮
甘辛い味付けで、食欲を増進させる料理になっています。短時間でサッと作れるため時間のない時におすすめです。しょうゆは塩分が高いので薄味を心がけ、使いすぎに注意です。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
②こんにゃくステーキ
ダイエット中の主食におすすめの一品です。1人前54kcalとかなり低カロリーですが、ボリュームもあるため満足感が得られます。切り込みを入れることで味が染みこみやすくなります。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
③鶏肉とこんにゃくの炒り煮
たくさん作っておけば、常備おかずになり、あともう一品に困ったときやお弁当のおかずとして重宝します。人参やゴボウなどの根菜を入れると、栄養価が更にアップするのでおすすめです。
↓詳しい作り方・レシピはこちら↓
こんにゃくは栄養豊富な食材
こんにゃくは、低カロリー・低糖質・低脂質で、さらに様々なダイエットに最適な栄養素が含まれていました。しかし、食べすぎると腸閉塞になってしまう危険性もあるため注意しましょう。炒め物や煮物など様々な調理法で、飽きずに食べられるダイエットの強い味方のこんにゃくを積極的に食べましょう!