胡椒の栄養価と効能は?健康効果あり?取りすぎるデメリット・副作用も紹介!
【管理栄養士監修】胡椒に含まれる栄養素を知っていますか?今回は、胡椒の栄養成分や〈殺菌・発汗作用〉など健康への効果・効能にくわえ、〈塩分過多・アレルギー〉など取りすぎるデメリット・副作用など懸念点も紹介します。使い方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
- 胡椒はどんな調味料?
- 胡椒は昔に漢方として使われていた
- 胡椒の種類・特徴や使い分けは?
- ①黒胡椒(ブラックペッパー)
- ②白胡椒(ホワイトペッパー)
- ③青胡椒(グリーンペッパー)
- ④赤胡椒(ピンクペッパー)
- 胡椒の栄養価・効能は?健康効果あり?
- ①発汗作用・血行の改善
- ②殺菌作用
- ③消化機能の向上
- ④ダイエット・美容効果
- ⑤ストレス緩和作用
- 胡椒の使い方のポイントは?
- ①料理で胡椒の種類を使い分ける
- ②用途によって挽き方を変える
- ③使うタイミングを2回に分ける
- 胡椒を取りすぎると体に悪い?デメリット・副作用を解説!
- ①下痢・腹痛を起こすことがある
- ②胡椒で塩分過多になる心配はない
- ③胡椒製品にアレルギー物質が使われていることも
- 胡椒の保存方法・期間
- 胡椒の状態別の保存期間・賞味期限
- 胡椒の保存方法
- 胡椒は栄養豊富な食材
①発汗作用・血行の改善
胡椒に多く含まれているピペリンには、交感神経を刺激し、血管を広げて血流を良くする働きがあります。血行の改善は体温を上昇させるので、発汗作用やエネルギー代謝効率の向上にもつながります。胡椒の小さな粒の中には鉄分も含まれているので、血行の改善と合わせて貧血や冷え性にも効果がありそうです。
②殺菌作用
かつて胡椒が貨幣ほどの価値を持っていたのは、ピペリンの効能のひとつである殺菌効果によるものです。食べ物の冷蔵保存ができるようになるまで、胡椒は食べ物を長持ちさせる殺菌・防腐剤として重宝されていました。ピペリンの殺菌作用は食べ物だけに限らず、体内からも細菌を排出する働きがあることも分かっています。
③消化機能の向上
胡椒には、食欲増進や消化機能の向上などの効果がありますが、これもピペリンの働きによるものです。消化機能が高まると、摂取した食物の栄養を効率的に吸収することができます。栄養の吸収率が上がると、食物の栄養素が持つ効能も高まるため、より高い健康効果に期待できると言えるでしょう。
④ダイエット・美容効果
先ほど紹介したピペリンによる血行改善の効能は、体温の上昇や代謝効率の向上につながるため、体内の脂肪が燃焼されやすい状態になります。脂肪の蓄積を抑える働きも持つため、ダイエットに効果的な成分と言えるでしょう。
また、ピペリンには抗酸化作用もあるため、肌の老化を防ぐとされています。老化の原因は活性酸素による酸化ですが、ピペリンがこの酸化を抑えてくれるので、アンチエイジングにも効果的と言えます。
⑤ストレス緩和作用
ピペリンには、脳内物質であるセロトニンやエンドルフィンを増やす効果があります。どちらも、落ち込んだ気分を持ち上げてくれる幸せホルモンと呼ばれる物質で、ストレスを緩和させ、落ち着いてスッキリとした気持ちにさせてくれます。
胡椒の使い方のポイントは?
はじめに紹介したように、胡椒にはいくつか種類があるだけでなく、挽き方によって粒の大きさも変わります。胡椒を効果的に使うには、どのようなポイントがあるのでしょうか。
①料理で胡椒の種類を使い分ける
胡椒の種類でも紹介しましたが、まずは作る料理によって胡椒を選びましょう。胡椒の中でも味・香りともに強い黒胡椒は牛肉などの肉料理に、優しい風味で色の邪魔をしない白胡椒は魚料理や鶏肉料理に使うのがおすすめです。
家庭で青胡椒や赤胡椒を日常的に使うことはあまりないでしょうが、パーティーメニューを作る時には、彩りを華やかにしてくれるので、興味のある方は手に取ってみてください。
②用途によって挽き方を変える
一般的によく販売されている胡椒は、ホール(粒)とパウダーの2種類です。ホールは食材にゆっくりと味や香りをつける煮込み料理やマリネなどに使われます。対して、細かく挽かれたパウダーは、胡椒の香りがよく引き立つため、料理の仕上げにおすすめですが、手軽に使用できるため、家庭では下味付けから味の締めまでオールマイティに活躍してくれます。
また、胡椒の香りや味を強く感じられる粗びきの胡椒はステーキや炒めものなどと相性が良いです。ただ、パウダーにまで挽かれた胡椒は、香りが立ちやすいですが、そのまま保存しておくと風味がすぐに落ちてしまいます。最近は家庭用の小型ペッパーミルも販売されているので、ホール状のものを購入し、使う時にミルで挽くようにしましょう。
竹本友里恵
管理栄養士
胡椒は一般的にホールとパウダーの二種類で売られています。パウダーの方が手軽ですが、香りが飛びやすく風味が落ちるのも早いのが難点です。また、胡椒の一種である白コショウには、辛さの調節をするために小麦粉が配合されているので、食物アレルギー患者の方は注意が必要です。胡椒自体に塩分は含まれていないので、減塩しなければいけない方には風味を増すという意味で素晴らしい食材です。胡椒には食欲を増進する作用がありますが、ダイエット効果もあります。皮の部分に多く含まれるフィトケミカルには、脂肪細胞の分解を促す効果があるとされます。またピペリンには、脂肪燃焼や脂肪を体内に蓄えるのを抑制する効果もあり、胡椒はダイエットの強い味方です。
③使うタイミングを2回に分ける
胡椒には味と香りの2つの特徴がありますが、それぞれを効果的に使用するためには使うタイミングを分けることもポイントとなります。食材の臭み取りや下味を付けるために、まず下準備の段階で胡椒を使用し、料理の仕上げ段階では味を調整するために再び胡椒を加えます。それぞれのタイミングで異なる働きをしてくれる胡椒は、まさに万能調味料と言えます。