ニラの栄養素と効能は?加熱NG?栄養成分を逃さない調理法やレシピのおすすめも!
【管理栄養士監修】ニラに含まれる栄養素を知っていますか?古事記の時代からニラは食べられてきました。今回は、ニラの栄養成分・効能に加え、栄養素を逃さない調理法・食べ方を紹介します。ニラの栄養価・鮮度を維持して保存する方法も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
ビタミンEも抗酸化作用が高いですがβカロテンほどではありません。細胞膜や血管の働きを守り、血液を健康に保つ効果があります。不足すると血行が悪くなり冷え性や頭痛、肩こりになりやすくなります。また抗酸化力が低下するとシミ・しわが出来やすくなり動脈硬化などのリスクが高まります。
ビタミンEは体内に蓄積されにくいのですが、サプリメントなどによる過剰症は血液が止まりにくくなったり、骨量を減らし、骨粗しょう症のリスクが指摘されています。妊婦さんに必要な栄養素と言えます。(※3)
③食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
2.7g | 20g | 14% |
食物繊維は水溶性と不溶性があり、水溶性は腸内細菌を活発にする効果があり、不溶性は腸内の有毒物質を水分とともに吸着して排出する働きがあります。この二つの働きにより腸内をデトックスし、体内に運ばれた栄養素をむだなく小腸で吸収できるようにするとともに大腸がんになりにくい環境を作り出す効果があります。
ニラに含まれるカリウムとともに働き、むくみ予防の効果があるので、こちらも妊婦さんに必要ですね。(※4)
④アリシン
ニラにはイオウ化合物である硫化アリルから生成されたアリシンという成分が含まれます。ニンニクや玉ねぎにも含まれていて、強力な殺菌作用がありサルモネラ菌からコレラ菌まで効果を発揮します。
またアリシンはビタミンB1と結びつくと血液中でビタミンB1の効力を持続する成分を作り出します。ビタミンB1の働きは炭水化物や乳酸をエネルギーに変える代謝のサポートと脳神経や末梢神経・筋肉の働きを整える効果があります。
また、100度以下で油調理すると記憶力アップなど脳が活性化する特殊な成分に変わり、抗がん作用も期待されています。加熱調理するときは1時間くらい前に切っておいておくと、匂いは強くなりますがアリシンは安定して加熱しても影響されなくなります。(※5)
⑤葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
100㎍ | 240㎍ | 42% |
ニラは葉酸も豊富で摂取量の目安の40%以上入り、これはビタミン類の多いアシタバに匹敵します。葉酸はビタミンB12とともに赤血球をつくり、遺伝子のための核酸やたんぱく質の生合成を促し、細胞の生成や再生をサポートする、胎児にとって重要な働きを多く担っています。ニラはビタミンKも豊富でカルシウムとともに骨の形成を促します。妊婦さんにとっては重要な野菜です。
また、妊婦さんが葉酸をしっかり取ることで胎児のある種の先天異常を予防することができます。葉酸はビタミンB12と働くので、なるべく一緒にとると効果的です。(※6)
片村優美
管理栄養士
妊娠期は葉酸の需要が増します。なるべく葉酸の多い食品を選んで、しっかりと摂りましょう。
ニラの栄養成分を逃さない調理法・食べ方は?
ニラは非常に栄養価が高く、無駄にしたくありません。有効な調理方法を見てみましょう。
①生で食べる
ニラに含まれる栄養素の中でカリウムとビタミンBの仲間であるビタミンKやアリシンは加熱すると効果が弱くなるため、この栄養素を有効に取りたければ生食がお勧めです。サラダに散らしたり、キムチなどの漬物に加えるのも良いでしょう。脂溶性の栄養も多いので、油分と一緒に食べる工夫をするとよいですね。
(*ニラを生で食べる時のメリットやデメリットついて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②食べ合わせを考える
ニラの栄養を更に高める食材と組み合わせてみましょう。レバニラ炒めのレバーには葉酸と組み合わせたいビタミンB12や、アリシンと組みたいビタミンB1が含まれ、脂溶性のビタミンEなどの吸収を高めるための油と、すべてが網羅されている理想的な料理です。
カリウムや葉酸、アリシンは熱に弱いので、ニラは炒めすぎないよう、レバーにしっかり火が通ってから火を止める間際に入れましょう。