いちごの栄養素と効果は?効率よく栄養摂取する方法や選び方のコツも紹介!
【管理栄養士監修】いちごには栄養素が豊富に含まれることを知っていますか?今回は、いちごに含まれる栄養素とその効能にくわえ、栄養を効率的に摂取する方法も紹介します。いちごの栄養が取れるおすすめレシピも紹介するので、いちごを料理に活用したい方も参考にしてください。
目次
いちごの旬と選び方

食べ物にはそれぞれ旬の時期があり、旬の時期の食べ物には栄養価が高かったり、ほかの時期のものよりも美味しいといった魅力があります。いちごにも旬の時期があり、より美味しいいちごを見分けるためのポイントもあります。いちごの旬はいつなのか、そして選ぶ際にはどういった点に注目すれば良いかを見ていきましょう。
旬は冬〜春
いちごは一年中販売しており、特にクリスマスのショートケーキのイメージが強いと思いますが、いちごの旬は、冬~春(12〜5月)となっており、冬だけでなく春も含まれます。元々は春だけが旬の野菜でしたが、クリスマスなどの冬の需要に対応するため、冬も生産されるようになりました。
(*いちごの旬について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
新鮮ないちごの選び方
スーパーやいちご狩りなどでいちごを選ぶ時、参考にしてほしい選び方を紹介します。
・へたが反ってひっくり返っている
・へたが濃い緑色をしている
・実の状態がみずみずしい
・つぶが赤い色をしている
・実のサイズが大きい
・いちごの先端部分が広い
・へたの近くまでしっかり熟して赤くなっている
美味しいいちごを見極める際に参考にしたいのは、以上のポイントです。実の状態を確認するのも重要ですが、実だけでなくへたやつぶの状態もしっかりチェックしておきましょう。
いちごの栄養素と効果

カロリー | 34kcal |
---|---|
水分 | 90g |
たんぱく質 | 0.9g |
脂質 | 0.1g |
糖質 | 7.1g |
続いて、いちごに含まれている栄養素について紹介します。その栄養素を摂ることで期待できる効果、効能についても紹介しているのでチェックしてみてください。
※栄養素の含有量は全て100g当たりです
※食品成分データベースを参考にしています(※1)
(*いちごのカロリー・糖質について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
①ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
62mg | 100mg | 62% |
いちごには多くのビタミンCが含まれており、1個に含まれているビタミンCはレモン半分に相当します。ビタミンCはタンパク質であるコラーゲンを生成するのに重要な栄養素であり、皮膚や粘膜を強化してくれる働きがあります。
抗酸化作用もあり、活性酸素から体を守ってくれます。この抗酸化作用により、がんや動脈硬化の予防といった効能が期待できます。ビタミンCは体内で作られない水溶性ビタミンでもあるので、不足気味だと感じている方には含有量の多いいちごがおすすめです。(※2)
永倉沙織
管理栄養士
中くらいの大きさなら5〜7個ほどで1日に必要なビタミンCを取ることができます。 ビタミンCはコラーゲン生成やメラミン生成を抑えるため、シワやシミを防ぐ働きがあります。
②葉酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
90μg | 240μg | 38% |
いちごに含まれている葉酸は、同量のほうれんそうと比較すると約半分ほどの量となります。葉酸には赤血球を生成する働きがあり、「造血のビタミン」と呼ばれることもあります。
葉酸には細胞を作る時に大切な核酸を合成する働きもあり、妊娠初期の方がしっかり葉酸を摂っておくことで胎児が神経管閉鎖障害になるリスクを減らすことが期待できます。妊婦の方にとってはぜひ注目してほしい栄養素の一つと言えるでしょう。(※3)
③いちごタンニン
いちごタンニンはいちごにのみ含まれている栄養素で、お腹に脂肪を付きにくくしてくれるというダイエット中の方には嬉しい成分です。マウスによる実験でも効果が出ており、いちごタンニンを食事と一緒に摂取したマウスは30%ほど体重の増加を抑制できたというデータもあります。
④食物繊維
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1.4g | 20g | 7% |
いちごには食物繊維も含まれており、同量の生のさつまいもの60%ほどの量が含まれています。食物繊維には水溶性と不溶性のものとがあり、いちごに含まれているのは水溶性食物繊維です。水溶性食物繊維にはビフィズス菌を増加させて腸内環境を整えてくれたり、コレステロールを体の外に排出してくれる効能が期待できます。(※4)
⑤アントシアニン
いちごに含まれているアントシアニンは、代表的なファイトケミカルであるポリフェノールの一つです。アントシアニンには抗酸化作用があり、体内の有害物質を無害な物質に変える効能から生活習慣病の予防などが期待できます。
水溶性の成分なので長時間効果はありませんが、体内に入った後は比較的早く作用するという特徴があります。
永倉沙織
管理栄養士
赤い色素であるアントシアニンには肝臓の機能を高める働きがあると言われています。 お酒をよく飲む方など、肝臓が疲れている方にオススメです。
⑥カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
170mg | 2500mg | 7% |
いちごに含まれているカリウムの量は100gあたり170mgで、同量に360mg含まれているバナナと比較すると半分ほどの量になります。カリウムにはナトリウムが腎臓で再吸収されるのを防ぐ効能があり、余分なカリウムが体外に排出されるので血圧を下げる効果が期待できます。
また、体内のナトリウム濃度が高くなると体内に水分が溜まった状態になりますが、カリウムによって余分なナトリウムと水分が排出されることによってむくみ解消にもつながります。(※5)
いちごの栄養を効率的に摂取するには?

いちごはビタミンCや葉酸などの栄養素が含まれていますが、そのまま食べるよりも効率的に摂取する方法もあります。栄養成分を逃さない洗い方についても紹介するので、いちごを食べる前に確認してみてください。
脂質と一緒に摂取する
イチゴの栄養成分を効率的に摂取したいなら、脂質と一緒に摂取するのがおすすめです。練乳や牛乳などの乳製品をいちごにかけて食べている人も多いかと思いますが、これらは脂質を含んでいるのでただ美味しいだけではなく栄養面でも嬉しい効果がある組み合わせと言えるでしょう。
洗い方に注意する
いちごを食べる前には水洗いをしますが、洗い方には注意が必要です。綺麗に洗うためにへたを最初に取ってしまうと、水洗いしたときに水溶性であるビタミンCが流れ出てしまいます。洗う前に比べて半分近く流れてしまう場合もあるので、へたは実を洗ったあとで取るように気を付けましょう。
また、長時間水に浸けた場合も水溶性であるビタミンCが流れ出てしまいます。いちごは水に浸けておくのではなく、流水でさっと汚れを洗い流すのがおすすめです。
(*いちごの洗い方などについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
いちごの栄養が取れるおすすめレシピ
いちごの栄養成分をより効率的に摂取できるおすすめレシピを紹介します。
①いちごのヨーグルトムース
いちご:1パック
牛乳:100ml
ヨーグルト:200g
ホイップクリーム:50g
ゼラチン:5gをふやかす
練乳:お好みの量
いちごに含まれているアントシアニンは乳製品と一緒に摂ることで効果が高まりますし、ポリフェノールも効率よく摂取できます。いちごの栄養素を美味しく、効率的に摂取したい方におすすめです。
②いちご練乳のロールパンサンド
練乳:お好みの量
いちご:3粒
ロールパン:1個
練乳を使用しているので、いちごの栄養成分を効率的に摂取できる食べ方です。材料も少なく、すぐに作れるレシピなのでいちごが中途半端に余ってしまった場合や時間が無い時の朝食、おやつなどにおすすめします。
③いちごのヨーグルトパフェ
バニラアイスクリーム150g
カスピ海ヨーグルト200g〜250g
冷凍いちご6粒〜8粒
冷凍いちごを使用しており、ストックを活用したいという方や生のいちごとは違った食感を愉しみたいという方におすすめのレシピです。冷凍してもビタミンCの量はそれほど変わりませんし、通常のパフェよりも低カロリーなのでヘルシーなおやつを作りたい方や、ダイエット中の方も試してみてはいかがでしょうか?
④いちごのパンナコッタ
生クリーム:150ml
牛乳:150ml
グラニュー糖:40g
ゼラチンパウダー:5g
ラズベリージャム:50g
いちご:4個
キルシュ:大さじ1
パンナコッタは卵を使用しないので、卵が苦手でプリンが食べられないという方にはぴったりのスイーツです。見た目が綺麗なのでホームパーティなどで振舞うと喜ばれそうですし、キルシュを使用しているので大人の味わいを愉しみたい方にもおすすめします。
いちごは栄養豊富な野菜
いちごはビタミンCを始めとしてさまざまな栄養素が含まれており、ダイエットにも効果があることを紹介しました。そのまま食べても美味しいいちごですが、脂質を含む練乳や牛乳と一緒に摂取することで効率よく栄養を摂れます。おやつに迷ったら、今回紹介したいちごレシピを試してみてはいかがでしょうか?