みかんの栄養価と効能は?妊婦向き?成分を逃さない食べ方・調理法など紹介!
【管理栄養士監修】みかんに含まれる栄養素を知っていますか?どんな栄養を含むのでしょう。今回は、みかんの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。みかんの食べ過ぎなど注意点や、栄養がとれるレシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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- みかんはどんな果物?
- みかんの旬と種類
- みかんのカロリー・糖質
- みかんの栄養成分と効能は?健康効果ある?
- ①ビタミンC
- ②β-カロテン
- ③カリウム
- ④ビタミンB1
- ⑤ペクチン
- ⑥ヘスペリジン
- ⑦クエン酸
- ⑧リモネン
- みかんの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
- ①薄皮・白い筋ごと食べる
- ②生のみかんを食べる
- ③焼きみかんにして食べる
- ④みかんの皮を陳皮にして食べる
- みかんを食べる際の注意点は?
- ①皮ごと食べる場合は国産の無農薬みかんにする
- ②食べ過ぎない
- みかんの栄養がとれるレシピのおすすめ
- ①焼きみかんのアイス
- ②焼きみかんの食パン
- ③焼きみかん鍋
- ④皮ごと焼き冷凍みかん
- ⑤焼きみかんの皮のポン酢和え
- ⑥丸ごとみかんケーキ
- ⑦みかんパスタ
- みかんは栄養豊富な食べ物
みかんはどんな果物?
みかんは様々な品種がありますが、旬や種類・栄養価はどんな果物なのでしょうか?ここでは日本で「みかん」と言われている温州みかんのことを紹介します。
みかんの旬と種類
みかんの旬は全般的に1年で最も出荷量が多い冬ですが、季節によって出回る種類は様々なのでみかんの種類別に旬を紹介します。
【旬・種類】
・春~夏 「ハウスみかん」
・9~10月 「極早生(ごくわせ)」
・10~12月 「早生(わせ)」
・11~12月 「中生(なかて)/別名:普通温州」
・1~3月 「晩生(おくて)」
ハウスみかんは、小粒で皮も実も鮮やかなオレンジ色をしており酸味が少なく甘みが強くなります。極早生は皮は青味がかったみかんで、かつては酸味が強く味の評価も低いものでした。しかし、糖度が高くなる時期が早くなる品種が選ばれたことで、甘さと酸味のバランスが良い極早生みかんが出回るようになりました。
早生は2つの品種があり「宮川早生(みやがわわせ)」は皮は青みがありますが甘みも酸味もあり、「興津早生(おきつわせ)」は皮はオレンジ色で宮川早生よりも平らかです。中生は酸味は少なく完熟濃厚な甘みが強いので温州みかんの中で人気があります。晩生は濃厚な甘みと酸味もある昔ながらの味で皮と実の隙間が少ないのが特徴です。
(*みかんの旬や種類について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
みかんのカロリー・糖質
100gあたり | カロリー | 糖質 |
みかん(生/100g) | 49kcal | 11g |
みかん(生/1個:75g) | 37kcal | 8.2g |
みかん(缶詰1個:255g) | 63kcal | 15.3g |
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。(※1)
生のみかんと缶詰の実の100gあたりを比較すると、カロリーと糖質ともに缶詰みかんは生のみかんの1.3~1.8倍多いと分かりました。缶詰はシロップ漬けなので実の部分だけでもカロリー・糖質は高くなります。さらに缶詰加工の過程で失われる栄養素があるので、ダイエット効果や栄養効果の為には、缶詰より生のみかんを食べるほうが良いでしょう。
片村優美
管理栄養士
缶詰はシロップに浸けているのでエネルギーが高くなります。生のみかんはエネルギー量を抑えられる上、栄養価の高い皮も同時に摂取できます。より健康的に食べたいときは生のみかんがおすすめです。
みかんの栄養成分と効能は?健康効果ある?
昔から「みかんを1日に3個食べると病気知らず」と言いますが、いったいみかんにどんな栄養成分が詰まっているのでしょうか?また妊婦さんは酸味を好むようになると言われますが、みかんの効能や健康効果はあるのか紹介します。
①ビタミンC
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
32mg | 100mg | 32% |
※1日の摂取量は成人男性の目安です。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。
みかんには、ビタミンCが100gあたり33mg含まれているので、1日3個ほど食べると1日分の摂取量を取ることが出来るでしょう。ビタミンCの効果・効能には免疫力や細菌・ウイルスの抵抗力を高める働きがあり、風邪など病気の予防効果があります。また、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールを抑制する働きも嬉しい効能です。
さらにビタミンCにはメラニンの色素沈着を防ぎ、コラーゲンを生成する効能があります。鉄の吸収を良くする働きもあり、ビタミンCは多くの健康と美肌の効果が期待できる栄養素です。(※2)
②β-カロテン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
180μg | - | - |
β-カロテンはカロテノイド色素の1つで他にもβ-クリプトキサンチンなどがあり、特に温州みかんには生でも缶詰でもβ-クリプトキサンチンが多く含まれています。β-カロテンは体内でビタミンAに変わりますが、全て変わるわけではないので、1日の摂取量は明確に出されていません。
栄養効果は、目などの粘膜を健康に保つ効能やウイルスの侵入を防ぐ働きにより菌への抵抗力をあげることが期待されています。(※3)
③カリウム
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
150mg | 2500mg | 6% |
カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあるので、むくみの予防効果や血圧を下げる効果があります。また、脳卒中の予防や骨密度の増加も期待出来るでしょう。塩分の多い食事を食べた時はカリウムを含む食材を食べると良いでしょう。(※4)
片村優美
管理栄養士
食べ過ぎていないのに体重が増えたと感じるときは塩分のとり過ぎによるむくみの可能性もあります。むくみ改善にはカリウムが効果的で、野菜や果物から多く摂取できますよ。
④ビタミンB1
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
0.1mg | 1.4mg | 7% |
ビタミンB1は糖質からエネルギーを作る働きがあるので、ビタミンB1が欠乏すると代謝が悪くなり太りやすくなります。また、運動した後などの疲労物質のひとつ「乳酸」の代謝にも関係するので、ビタミンB1を摂取することで疲労回復効果が望めるでしょう。(※5)
⑤ペクチン
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1g | 1g | 100% |
ペクチンは食物繊維の一種で、みかんのワタ袋やすじの部分に多く含まれており、みかんを1個食べると1日分のペクチンを摂取出来るでしょう。ペクチンは食事による血糖値の上昇を抑えることができ、さらに過分なコレステロールを排出する効果と、腸内環境を刺激して便通を整える効能も認められています。
ペクチンの豊富な栄養素を取り入れるためにも、みかんは丸ごと食べると良いでしょう。(※6)
⑥ヘスペリジン
ヘスペリジンは、みかんの皮やすじの部分などに含まれているポリフェノールの一種です。ヘスペリジンの効能は毛細血管を強くして血流を改善したり、ビタミンCと共に毛細血管を細菌から守る働きもあります。
⑦クエン酸
含有量(100g) | 1日の摂取量の目安 | 1日の摂取量に占める割合 |
1g | 1.5g | 67% |
みかんのクエン酸は含有量が多く1個半を食べれば1日分の摂取量を取ることが出来るでしょう。クエン酸の効能は疲労回復と血流改善、新陳代謝の促進から美肌効果と様々な効能があります。ただ、クエン酸は一度に大量摂取をしても吸収しきれずに排出されるので、何回かに分けてこまめに食べるのがおすすめです。
⑧リモネン
リモネンはみかんの皮に含まれており様々な効能があります。免疫力アップで風邪や病気全般の抵抗力が付き、不安やストレスが軽減され、リラックス効果・安眠効果が期待できるでしょう。ダイエット効果や抜け毛予防もあります。
(*みかんのダイエット効果について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
みかんの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?
みかんの多彩な栄養成分は健康や美容に様々な効能がありますが、最も効率よく摂れる食べ方を知ることは有益ですので紹介します。
①薄皮・白い筋ごと食べる
薄皮や白い筋は綺麗に取る方もいるでしょうが、そのまま食べた方が栄養成分を全て摂ることが出来ます。薄皮や白い筋には疲労回復・動脈硬化予防・便秘解消・脂肪分解・美肌効果と効能が豊富です。舌触りが気になる方もおられるでしょうが、せっかくの栄養成分を取り入れるためにも丸ごと食べることをおすすめします。
(*みかんの皮の栄養成分や効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②生のみかんを食べる
みかんは生のみかんを食べることが栄養成分を効率よく摂るうえでお勧めです。缶詰やジャム、ドライフルーツのように加工された物も多くそれぞれの美味しさはありますが、砂糖などの甘味料を利用するのでカロリーが高くなってしまいます。また、加工する段階で栄養成分が損なわれることもあるからです。
③焼きみかんにして食べる
みかんは焼きみかんにして食べると栄養価が高まる果物です。加熱により糖度がアップする上、ペクチンの吸収率が高まるので、血糖値上昇を抑える効果などが上がります。何より発がん抑制効果の高いβクリプトキサンチンは焼きみかんが一番多く摂取出来るので、時間のある時はみかんを皮ごと焼いて食べましょう。
④みかんの皮を陳皮にして食べる
陳皮とはみかんの皮を乾燥させたもので、自宅でも簡単に作れますのでその方法・手順を紹介します。
【方法・手順】
1、皮に付いたワックスや農薬を落とすためにおへその部分をカットし数時間水に浸す
2、ザルやネットに入れ完全に乾燥するまで1週間~数か月ほど天日干しする
3、使い方により刻んだり、ミキサーで粉末にする
4、ガラス瓶に保存する
天日干しの期間は最低1週間で、すぐ使わないなら数か月干すと完璧に乾燥できます。入浴剤として使うなら2cmにカットして目の細かいネットに入れて、浴槽に浮かべるとリラックス効果を得られるでしょう。粉末にすると、お茶として飲んだりみそ汁や煮物に入れて風味を楽しむこともできます。
みかんを食べる際の注意点は?
良いこと尽くしのみかんですが、食べる時に注意した方が良い点があるなら知りたい方は多いでしょう。みかんを食べる際の注意点を紹介します。
①皮ごと食べる場合は国産の無農薬みかんにする
国産の無農薬みかんであれば皮ごと食べることをお勧めします。みかんの皮には、ビタミンC・ペクチン・カロテンなどの優れた栄養素が詰まっているのですが、やはり農薬が気になります。国産の農薬は洗うとほぼ落ちると言われてますが、輸入物の農薬は洗うだけでは落ちません。
②食べ過ぎない
栄養成分が豊富だからと食べ過ぎないようにしましょう。みかんを食べ過ぎると「柑皮症」と言ってカロテンの色素が顔や全身の皮膚に沈着して、黄色に変色してしまうことがあります。人によれば改善するのに数か月間かかる人もいるので食べ過ぎは避けてください。
(*みかんの食べ過ぎについて詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
みかんの栄養がとれるレシピのおすすめ
みかんをそのまま食べる以外の食べ方は何があるでしょうか?みかんの豊富な栄養がとれるレシピのおすすめを紹介しましょう。
①焼きみかんのアイス
焼きみかんのアレンジレシピです。焼きみかんの栄養素とアイスクリームの豊富なカルシウムも摂れるデザートとしておすすめです。
②焼きみかんの食パン
食べきれないみかんを傷み過ぎない内に食べる意外なレシピです。加熱するので栄養効果もアップできます。
③焼きみかん鍋
焼きみかん入りの鍋料理は斬新なレシピです。最後におじやにして出汁に出たみかんの栄養も全て頂きましょう。
④皮ごと焼き冷凍みかん
無農薬みかんを使った焼きみかんを冷凍して皮ごと食べるというみかんの栄養も甘みもアップした全てを満喫できるレシピです。
⑤焼きみかんの皮のポン酢和え
焼きみかんの皮の栄養素、βクリプトキサンチンをしっかり摂れるレシピです。ここでは大根との和え物ですが様々な野菜でも試してみてください。
⑥丸ごとみかんケーキ
みかん丸ごと皮のまま作ったケーキです。ホットケーキミックスを使い、みかんのβクリプトキサンチンの詰まった簡単に出来るケーキをお楽しみください。
⑦みかんパスタ
焼きみかんの皮を刻んで使ったレシピです。酸味もあってみかんの爽やかな香りも一緒に味わえるでしょう。
みかんは栄養豊富な食べ物
みかんは栄養豊富な果物で、焼いて食べたり、皮も筋も丸ごと食べることでみかんの栄養をむだなく摂ることができます。みかんを食べる時は、食べ過ぎと農薬には注意して健康・美容の効果を丸ごと頂いてくださいね。