グレープシードオイル(ぶどう油)は危険?加熱が体に悪い?効能や正しい使い方を紹介!
【管理栄養士監修】グレープシードオイルには危険性がある・体に悪いと言われることがありますが、なぜでしょうか?今回は、グレープシードオイルが危険と言われる理由や、料理への安全な使い方を紹介します。グレープシードオイルの栄養成分・効能や選ぶ時のポイントも紹介するので参考にしてみてくださいね。
目次
コレステロールゼロの為ダイエット中の人にも嬉しいグレープシードオイルは、抗酸化作用や肌も綺麗にしてくれる効能がありました。しかし一方で、グレープシードオイルには危険性がある・体に悪いという意見もあるようですが、それはなぜなのでしょうか。
①リノール酸が多い
グレープシードオイルが危険・体に悪いとされる理由の一つ目は、脂肪の成分の一つであるリノール酸を多く含んでいることです。リノール酸は体内で作れないため、食物を通して摂取する必要のある必須脂肪酸の一種です。そのため、リノール酸を摂取する事自体は危険でも体に悪い事でもありません。
しかし、リノール酸を多く摂取しすぎると体内でアラキドンサンという物質が増え、アレルギー症状や炎症症状が現われてしまうと言われています。結果、アトピー性皮膚炎やアレルギー性炎症疾患などが起こりやすくなるほか、症状が悪化する原因になってしまうそうです。
リノール酸は、カップラーメンやファーストフードなどにも多く含まれている成分なので、現代ではリノール酸を摂取する機会も増えています。それに加えてリノール酸を多く含んでいるグレープシードオイルを摂取すると、リノール酸の悪影響が現れる可能性があるため、グレープシードオイルは危険・体に悪いとされる理由となっているようです。(※4)
②化学溶剤抽出で作られることが多い
グレープシードオイルが危険・体に悪いとされる理由の二つ目は、化学溶剤抽出で作られる事が多いからです。化学溶剤抽出とは、圧搾する際に劇薬であるヘキサンなどの溶剤を使用し、ふどうから油を取り出す抽出法の事を言います。グレープシードオイルを作る際に圧搾する方法は様々ありますが、その中でも化学溶剤を使い油を抽出する事が一番効率が良いそうです。
なお、オリーブオイルは種子に油が多いので化学溶剤を使わなくても、圧力をかけて種子を搾る圧搾で作る事ができます。しかし、ぶどうの種子の中には油が少ない為、グレープシードオイルはオリーブオイルと違って化学溶剤抽出で圧搾して作る事が多くなってしまうようです。
③酸化しやすい
グレープシードオイルが危険・体に悪いとされる理由の三つ目は、酸化しやすい特徴を持っていることです。グレープシードオイルは、前述した化学溶剤抽出で圧搾して作る際には劇薬であるヘキサンなどを使う為、必ず高温にする必要があります。その際に、トランス脂肪酸が生じやすく酸化しやすくなってしまうのです。
トランス脂肪酸は、摂取しすぎると生活習慣病などにかかりやすくなり、危険・体に悪いと言われています。また、油は光が当たると酸化してしまうため遮光性が高い容器に入れられますが、グレープシードオイルはコストを下げるために遮光性が少ない状態で販売されている事が多く、より酸化しやすいようです。(※5)
グレープシードオイルの健康的な使い方は?
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グレープシードオイルは、健康には不安な圧搾製法で作られているとわかりましたが、健康的な使い方はないのでしょうか。料理にも使いやすいグレープシードオイルの健康的な使い方を紹介します。
①揚げ物などで加熱しない
グレープシードオイルの健康的な使い方のポイントの一つ目は、炒め物や揚げ物などの料理で加熱しない事です。グレープシードオイルは前述した通りリノール酸を多く含んでいるので酸化しやすく、料理する際に加熱する事で、健康に良くないトランス脂肪酸のような成分が増える可能性があります。
(*油の酸化について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
小林花菜
管理栄養士
農林水産省の調査結果では、揚げ調理の場合トランス脂肪酸は極微量しか生成されず、その影響は無視できると記述されています。
②ドレッシングなどで生の状態で使う
グレープシードオイルの健康的な使い方の二つ目は、加熱せずにドレッシングなど生食できる料理に使う事です。サラダやスープなどの料理に生の状態で適量かける程度であれば、抗酸化作用などの効果が期待できるうえに、トランス脂肪酸のような成分の増加も心配ありません。