オリーブオイルの栄養素と効能は?オレイン酸が豊富?成分が摂れる食べ方を紹介!
【管理栄養士監修】オリーブオイルに含まれる栄養素を知っていますか?今回は、〈オレイン酸・ポリフェノール〉などオリーブオイルの栄養成分・効能に加え、栄養成分を効率的に摂れる食べ方も紹介します。保存の注意点や活用レシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
目次
オリーブオイルはどんな油?

オリーブオイルはどのような食品で、他の植物性油とどのような違いがあるのか解説していきます。
オリーブの実を搾ったオイル
オリーブオイルはオリーブの実から抽出された植物性の油です。植物性油の多くが種から搾油しているのに対して、オリーブオイルはオリーブの果実そのものから搾油しているので、抽出後の加熱処理を必要とせず、フルーティで香り高いことが特徴です。ワインのように品種や収穫時期によって味わいが違うこともオリーブオイルの魅力の一つと言えます。
竹本友里恵
管理栄養士
油の酸化は熱だけでなく、空気に触れたり、光に当たっても促進されます。オリーブオイル以外の多くの油は、植物の種子から油分を取り出しますが、搾る以外にも、焙煎をしたり、溶剤を使って抽出したり、精製をするなどの工程があります。様々な工程を経た油は、風味や成分などが失われています。一方オリーブオイルは、種子ではなくそれを覆う果実の部分から取り出されるので、オリーブ自体がもともと持っている香りや、栄養成分が残りやすいです。オリーブオイル以外の油は、加熱処理をしたり、化学的溶剤を加えて油を抽出したりしているので、生食には向いておらず、揚げたり、焼いたりして使用するのが一般的です。
(*オリーブの実の栄養価・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
オリーブオイルの種類と違い
オリーブオイルの種類が以下のようなものがあります。
・バージンオリーブオイル
・精製オリーブオイル
・ピュアオリーブオイル
バージンオリーブオイルは、オリーブの果汁をろ過しただけの化学的な処理をしていない天然のオリーブオイルのことです。その中でも4種類のオイルがあり、エクストラバージン、ファインバージン、オーディナリーバージン、ランバンテバージンがあり、酸化の度合いや味や風味の良さで等級が分けられます。
精製オリーブオイルはバージンオイルの等級の低いランバンテオイルなどに脱臭・脱色の化学処理をしたもので、精製することで酸化の度合いは下げられますが、オリーブオイルの風味や栄養素は損なわれます。ピュアオリーブオイルは、バージンオリーブオイルと精製オリーブオイルを混ぜ合わせたものです。
ピュアオリーブオイルは安価なオリーブオイルに多く、メーカーによって配合の比率が異なるので、オリーブオイルの香りや風味が感じられないものもありますが、加熱調理に使うときは、ピュアオリーブオイルで十分でしょう。これらは国際オリーブ協会によって定められた基準により分けられています。
(*オリーブオイルの種類と使い分け方について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
オリーブオイルの栄養価と効能は?オレイン酸が豊富?

カロリー | 111kcal |
---|---|
糖質 | 0g |
タンパク質 | 0g |
食物繊維 | 0g |
脂質 | 12g |
(オリーブオイル大さじ1杯12gあたり)
※1日の摂取量は成人男性の目安です
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています(※1)
オリーブオイルには糖質、タンパク質、食物繊維は含まれていませんが、オリーブオイル1gにつき1gの脂質と約9kcalが含まれています。以下で具体的な栄養価・効能をみていきましょう。
①アンチエイジング・老化防止
オリーブオイルに含まれるポリフェノールのもつ抗酸化力効果はビタミンCの10倍あると言われます。化粧品や洗顔料の美白成分として使われるほかに、肌のハリを作り出すコラーゲンの生成する効果もあるので、美肌効果も同時に期待ができます。また、オリーブオイルに含まれるオレイン酸の強い抗酸化作用により、過酸化脂質の発生を抑える効能があります。
本来体に備わっている抗酸化力は年齢を重ねるごとに弱まっていき、シミやシワ、たるみどの原因になる過酸化脂質を溜め込むので、オレイン酸を摂取することによってアンチエイジングや老化防止効果を期待できます。
②生活習慣病の予防
オレイン酸はオメガ9系脂肪酸のひとつで、善玉コレステロール値を下げずに悪玉コレステロール値のみを下げる効果があります。悪玉コレステロールが増えると動脈効果の原因にもなるので、脳梗塞や心筋梗塞の生活習慣病の予防の効能が期待できます。これに加え、強い抗酸化作用が活性酸素を抑制するので、こちらにもがんや生活習慣病の予防をする効能があるようです。
また、オリーブオイルが含むビタミンEの中でも最も強力なα-トコフェロールにも抗酸化作用があり、コレステロールの酸化を抑えて、コレステロールが血管の壁への付着を防ぐ効能があります。これもオリーブオイルが生活習慣病の予防になると言われる理由の一つです。
③整腸効果
オレイン酸は小腸で消化吸収がされにくく、大腸に届き蠕動運動を活発にすることや、オレイン酸自体が潤滑油の働きをしながら、便を柔らかくする乳化作用があるため、便秘解消の効果が見込めます。悪玉菌を増やさず善玉菌を保つ整腸効果もあるので、お腹の調子を整えたい人は定期的にオリーブオイルをとりましょう。
④口臭防止
オリーブオイルに含まれる成分には、舌や歯をコーティングすることで口臭の原因になる菌の増殖を抑制する効果があります。オイルプリングと呼ばれる古代インドから伝わる健康法で、インフルエンザウイルスや風邪菌にも効き目があると言われています。就寝前や歯磨き後は特に効果が高いと言われています。
竹本友里恵
管理栄養士
油は時間が経つと酸化しますが、オリーブオイルは他の植物油に比べてオイル自体が変質・酸化しにくいのが特徴です。オリーブの果肉からできているオリーブオイルは、オレイン酸や酸化しにくいポリフェノール、ビタミンEが豊富豊富なため加熱にも強く加熱調理しても変化しません。保存状態が悪いと腐った匂いがする事もありますが、オリーブオイルの腐敗臭は油分が酸化により分解されて腐敗臭成分と似た成分が発生するためで、実際にオイルが腐るわけではありません。賞味期期限が過ぎた場合はヘアオイルやマッサージオイルなどに代用できます。
オリーブオイルの栄養成分を効率よく摂れる食べ方は?

オリーブオイルの栄養素を効率よく摂る食べるにはどうしら良いでしょうか。
①エクストラバージンオイルを選ぶ
エキストラバージンオリーブオイルは、バージンオリーブオイルの中で最も等級の高いオイルで、ポリフェノールの含有量が他の種類よりも多いです。化学的加工を一切せず風味もよくオリーブオイルの旨味が強いので、加熱調理には使用せずにそのまま料理にかける方法が向いています。
加熱調理をすると栄養素が損なわれやすいので、サラダにかけ生のまま料理に使うようにしましょう。
②そのまま飲む
オイルには発煙点という加熱した際に煙が出始める温度があり、この発煙点を超えてオイルが高温になり煙が出始めると、オイルの栄養素や風味が損なわれるなどの変質が生じます。エクストラバージンオリーブオイルはこの発煙点が他の油に比べて低いため、風味を損なわず、栄養素をしっかりと摂るためにはそのまま飲むことが良いとされています。
オリーブオイルの保存の注意点

湿度や温度、紫外線などから影響を受けやすいオリーブオイルの保存の注意点を紹介します。
①酸化させない
オリーブオイルは蛍光灯の光に当たっても酸化が進むと言われるほど繊細で光にとても弱く、酸化が進んでしまうほどポリフェノールの量が減ってしまいます。遮光性の高いボトルの中で保管をすることで外からの光をより遮れるので、透明なガラス瓶などに入っている場合は移し替えることがおすすめです。
②冷蔵庫で保管しない
オリーブオイルは温度が低すぎると固まる性質があり、固まったものを溶かす工程を繰り返すと品質が悪くなる原因になります。逆に30度以上での保管も品質が劣化する原因になるので、冷蔵庫のように常に温度が低くない、15~25℃の冷暗所での保管をするようにしましょう。
(*オリーブオイルの賞味期限や正しい保存方法について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
オリーブオイルの栄養がとれる活用レシピ
オリーブオイルの栄養がしっかりとれる活用レシピを紹介します。
①塩麹とレモン汁とオリーブオイルのドレッシング
加熱しないのでオリーブオイルの栄養素をそのまま摂れる、混ぜるだけの簡単なレシピです。
①オリーブオイルのバター
よく使うバターにオリーブオイルを加えることで、食生活に手軽にオリーブオイルの栄養素を取り入れられます。
①オリーブオイルのジュース
生のオリーブオイルがそのままでは飲みにくいと感じる方におすすめのレシピです。オイルをそのまま飲むのと変わらないので、オリーブオイルの栄養素をしっかり摂ることができます。
オリーブオイルは栄養豊富な調理油
手軽に料理に加えられたり、そのままでも食べられるオリーブオイルは、すぐに始められる健康法です。栄養豊富なオリーブオイルを上手に生活に取入れて、オレイン酸やポリフェノールの美容や健康効果を実感してみてはいかがでしょうか。