カット野菜に栄養ないはデマ?冷凍でもある?安全面や活用レシピなども紹介!
【管理栄養士監修】カット野菜に含まれる栄養素を知っていますか?栄養がないはデマでしょうか?今回は、カット野菜の栄養成分・効能に加え、冷凍されたカット野菜でもも栄養があるのかなど紹介します。活用レシピも紹介するので、参考にしてみてくださいね。
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カット野菜とは?安全?
料理の時短に役立つカット野菜ですが、安全性は確保されているのでしょうか?カット野菜の製造方法や野菜の種類、安全性について紹介します。
カット野菜ができるまで
カット野菜は、次のような手順で商品化されます。
<カット野菜の製造方法>
1.野菜が工場へ運び込まれ、工場内の冷蔵庫で保存。
2.廃棄する部分を取り除き、洗浄・殺菌が行われる。
3.野菜をカットをする。
4.再び洗浄・殺菌が行われる。
5.主に遠心力により、脱水が行われる。
6.袋に包装され、箱詰めされて出荷。
殺菌には「次亜塩素酸ナトリウム」という、微生物や菌を除去する人体に害がない殺菌剤で、殺菌されています。このように、国が認めた洗浄剤と殺菌方法で安全に商品を製造しています。
竹本友里恵
管理栄養士
野菜をカットする事で、水に流れやすい水溶性のビタミンB1・B2・Cは3〜4割減少してしまいますが、ビタミンA・D・E・Kなど脂溶性のビタミンは流されずほとんどが残っています。また、食物繊維は全く減少することなく摂れるので、食べる意味は十分あります。食中毒を防ぐために次亜塩素酸ナトリウムを使用して洗浄していますが、これは水道水にも使用されており、微生物や菌を除去する役割を果たしてくれるので、安全な商品を製造するのに欠かせない消毒剤です。もし一度に使い切れなかった場合は、ジッパー付きの保存袋に入れるか、ラップに包んで冷蔵庫で保存します。冷凍保存も可能なので野菜が腐る心配もする事なく、気軽にカット野菜を購入しても良いでしょう。
カット野菜に入っている野菜の例
カット野菜には野菜炒めはもちろん、スープや鍋などにしても食べられる下記のような万能な野菜が入っています。
・キャベツ
・にんじん
・ピーマン
・玉ねぎ
・もやし
・にら
基本的に淡色野菜が多く入っていることが多いです。傷みやすいブロッコリーやほうれん草などは、冷凍のカット野菜で販売されています。
カット野菜の安全性は?
先ほど紹介したように、カット野菜は食品衛生法に基づく製造方法で製造されているため、安心安全に食べることができます。そのためカット野菜は基本的に包装から開けてそのまま使用できますが、気になる方は包装から取り出した後、軽く水洗いするようにしましょう。
カット野菜に栄養はある?ないはデマ?
カット野菜は栄養ないと言われることがありますが、本当にカット野菜には栄養がないのでしょうか。生のカット野菜と冷凍のカット野菜に分けて紹介します。
①生のカット野菜
生野菜のカット野菜は製造方法の通り、基本2度洗浄殺菌されます。そのため、洗浄によって水溶性の栄養素ビタミンCなどは減少します。しかし、すべて無くなるわけではなく野菜によって異なりますが60~80%は残存するといわれているので、栄養ないというデマに惑わされないようにしましょう。
②冷凍のカット野菜
冷凍のカット野菜には、ブロッコリーやほうれん草、いんげんなどがあります。旬に採れた野菜を下処理した後、急速冷凍し保存されるためほとんど栄養価は変わりません。むしろ栄養価の低い時期に収穫したものを、小売店までの移送による成分劣化を考えると、栄養価は高いと言えます。
また、ブロッコリーやにんじんは冷凍すると、βカロテンが約2~4倍に、ビタミンCやルテインも増加したという調査結果が出ています。
カット野菜に使われる野菜の栄養価・効能
カット野菜には様々な種類の野菜が入っており、料理の見栄えを良くしたり、栄養価を上げてくれます。野菜はそれぞれ、栄養価や効能が異なるため紹介します。
※含有量は日本食品標準成分表を参照しています。
竹本友里恵
管理栄養士
ビタミンCは体内で蓄積できないので、毎日こまめに食べる習慣をつける事が大切です。定番の千切りキャベツから季節の野菜、パクチーやビーツなど、生のままだと手が出にくい野菜を入れた商品も販売されてるので、チャレンジしやすいのも魅力です。野菜それぞれに違ったビタミンやミネラルが含まれているので、複数の野菜を摂取できます。袋を開けたら洗わずに食べられるカット用野菜は、食品ロス対策にもなる上、時間の無い日でも取り入れやすいのでおすすめです。
①キャベツ
カロリー | 23kcal |
---|---|
タンパク質 | 1.3g |
糖質 | 3.4g |
食物繊維 | 1.8g |
脂質 | 0.2g |
キャベツにはビタミンC・ビタミンK・葉酸などが豊富に含まれますが、中でも食物繊維が多く、腸内クリーニングによる便秘解消や、血糖値の吸収を抑えたりコレステロールを排出するなど、ダイエットに効果があります。また、キャベツに含まれるキャベジンという栄養素は、胃の粘膜を保護する効果があるため、食べ過ぎや飲みすぎに効果があります。
(*キャベツの栄養素・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
②もやし
カロリー | 14kcal |
---|---|
タンパク質 | 1.7g |
糖質 | 1.3g |
食物繊維 | 1.3g |
脂質 | 0.1g |
もやしは、他の野菜と比べても低カロリーなためダイエット中の方には特におすすめの野菜で、糖質も低いため糖質制限中の方も安心して食べられます。栄養が無いと思われがちなもやしですが、高血圧やむくみの防止に効果があるカリウムや、疲労回復に効果があるアスパラギン酸などが豊富に含まれています。
(*もやしの栄養素・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
③玉ねぎ
カロリー | 37kcal |
---|---|
タンパク質 | 1g |
糖質 | 7.2g |
食物繊維 | 1.6g |
脂質 | 0.1g |
玉ねぎには血液をサラサラにする効果のある、硫化アリルが豊富に含まれ、血糖値を下げる作用や、血行を促進する作用があります。また、ポリフェノールの一種のケルセチンも豊富に含まれており、シミやしわを抑える効果があるため美肌効果が期待できます。
(*玉ねぎの栄養素・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
④にんじん
カロリー | 37kcal |
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タンパク質 | 0.6g |
糖質 | 6.5g |
食物繊維 | 2.5g |
脂質 | 0.1g |
にんじんに豊富に含まれるβカロテンは体内でビタミンAに変換され、視力の維持や粘膜・皮膚・髪の毛などの健康の維持に働きます。免疫力アップにも効果的なため、風邪をひきやすい時期には特におすすめです。また、高血圧の予防にも効果があるカリウムも多く含まれています。
(*にんじんの栄養素・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
⑤白菜
カロリー | 14kcal |
---|---|
タンパク質 | 0.8g |
糖質 | 1.9g |
食物繊維 | 1.3g |
脂質 | 0.1g |
白菜は90%以上が水分でカロリーが低いためダイエット中におすすめです。水溶性ビタミンが豊富に含まれるため、スープや鍋など汁まで食べられる料理にすると良いでしょう。他にも、イソチオシアネートという解毒酵素を活性化する成分も含まれており、癌のリスクを軽減すると言われています。
(*白菜の栄養価・効能について詳しく知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。)
カット野菜を使う際のポイントは?
カット野菜に入っている野菜は、栄養がないわけではなく様々な栄養素が含まれています。その栄養素を無駄なく摂り入れるために、カット野菜を使う際のポイントを紹介します。
①緑黄色野菜を補う
カット野菜に入っている野菜は、キャベツやもやし、玉ねぎなどの淡色野菜が多いため栄養が偏ってしまうことがあります。そのため、ブロッコリーや小松菜、ピーマンなどの緑黄色野菜を補うようにしましょう。
②一度に全て使う
カットされた野菜は断面から傷んでいくため、生野菜よりも傷むのが早いです。そのため、カット野菜の包装を開封後は一度に使い切ることを基本とし、最低でも翌日までには使い切るようにしましょう。
③食感を復活させる
シナっとしてしまったカット野菜の食感を復活させる方法を紹介します。キャベツなどの葉物野菜であれば、どの野菜でも有効です。
1.カット野菜を約50℃のお湯を30秒~1分つける
2.冷水につける
この工程をすることで、葉物野菜に含まれるペクチンが硬くなり食感が蘇ります。
カット野菜を活用した時短レシピのおすすめ
カット野菜は調理に利用しやすく、すでに一口大にカットされているため時短につながります。そんなカット野菜を使ったレシピを紹介します。
①焼きそば
カット野菜を使用することで、包丁を使わずにボリュームのあるやきそばができます。味付けをソースや塩などにアレンジしても良いでしょう。
↓詳しいレシピ・作り方はこちら↓
②クリームシチュー
シチューには様々な種類の野菜を入れた方が美味しいですが、すべて切るのは面倒なためそんなときにカット野菜を利用しましょう。きのこが入ったカット野菜を選ぶと、より栄養価の高いシチューになります。
↓詳しいレシピ・作り方はこちら↓
③焼肉サラダ
カット野菜だけでは摂ることのできないタンパク質を、焼肉から摂り入れましょう。サラダですが主食になるぐらいのボリュームがあるため、ダイエット中の方にもおすすめです。
↓詳しいレシピ・作り方はこちら↓
カット野菜は栄養豊富な食材
栄養がないわけではなく、安心安全なカット野菜は忙しい方や一人暮らしの方には特におすすめの食材です。野菜を摂る習慣がない方も、サラダや炒め物にカット野菜を利用して積極的に野菜を摂り入れましょう!